赤梨よりも歯ごたえのある青梨、特に20世紀梨が好きです。
先日の合宿で学生さんたちと一緒にBBQや花火を楽しんだんですけれど、当時の私よりもずっと上手に刀や杖を扱う彼ら彼女らが、いざ蝋燭に火をともして地面に立てたり、炭に火を熾したり、梨の皮を剥いたりでは見ていて不安になるくらいの有様なのは実に印象的でした。
学校に焼却炉があって毎日ゴミを燃やしていたのはたぶん20年前ごろまでだったと思うんですが、そのころまでは火を扱うということが子供たちにとってもかなり身近だったように思います。
時を同じくして家の庭や公園で焚火や野焼きをすることもなくなりましたし、
家に仏壇があって蝋燭や線香に火をつける習慣があるなんて家庭ももうほとんどないでしょうし、
大学生だからと言ってタバコを吸う人もずっと減りました。
もう中学生/高校生なんだからと言って台所仕事を日常的に手伝わされる子供もそうそういないでしょう。
そういうことをしないでも生きていける世の中になったと言えばその通りだし、
結果としてより清潔で安全な世の中になったと言えばそうなんでしょう。
ただ、そういう技能を日常で学ぶことが無くなったことが本当にいいことなのか、私は確信が持てずにいます。
こんなことを言ってはいても、私が子供のころにすでに「最近の子供は鉛筆をナイフで削ることもできない」みたいなことは盛んに言われていましたし、同じようなことをいまここで私がことさらに取り上げるのはまさに老人の世迷言の連鎖と言うものです。
事実、スマホの使い方や制度の理解については私などよりはるかに彼らのほうが上を言っているわけで、時代と社会に適応しているのは彼らのほうであり技能や能力の配分が異なるに過ぎないと言ってもいいのかもしれません。
私が20歳前後のころに同世代の皆がうまいこと刃物や火を扱えてたかと言えば、別段大して代わり映えしなかったろうという気もします。
私が20歳前後のころに同世代の皆がうまいこと刃物や火を扱えてたかと言えば、別段大して代わり映えしなかったろうという気もします。
そもそも、うまくいかないことも含めて経験であり、
「え、待って、全然うまく火が付かないんだけど」
「何これ、皮むき下手すぎてめっちゃウケル」
なんてケラケラ笑いあうのも青春の1ページというべきもので、
おじさんが横からしゃしゃり出てしたり顔したのはまことに申し訳ないことだったなと今更反省する次第。
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