2019年5月29日水曜日

とおりま

またしても通り魔事件が起こりまして、誠に痛ましい限りです。

一応、武道家の端くれとして「こういう時はこうしよう」とか書いてもいいんですけども、それもちょっと節操のない話なので遠慮しておきます。

もちろん我々は杖道を習っている身として、武道を修めている者として、そういう事件が目の前で起こればそれを最小限の被害に抑えるべく最大の努力をする、そういう気概をもっておかなくてはいけない、そういう風には思います。

ただ、実際の事件についてはあとからならなんとだって言えるわけでして、失われた命の前では「ああすればいい」「こうすればよかった」なんて言葉はなんの意味も持たないわけですよね。

結局、そういう事件は起こらないのが一番よく、起こらないように事前に方策を巡らせておくことが一番必要だと思うんですよ。
それさえ、「今更」なんですけれど、次がないように、次をなくすように皆が少しずつの努力をしなければならないところだと思います。

2019年5月23日木曜日

おつかれ?

先日の旅の疲れが今頃出たものかどうか、どうにも夢見の悪い朝は起き上がるのもだるいくらいに調子が悪くて今日はお休み。
むしろ調子が悪いから夢見が悪いのか、この辺りの因果はよくわかりません。

さて、昨日は山形の地区講習以来御縁ができた方が遊びに来られて、すこし杖の稽古も付けていただきました。
やっぱりバリバリの6段ともなると同じ型同じ技でもシュッとしててビシッと利くなと感じました。

その方からやりやすい、合わせやすい、と言われたことは望外の喜びでありまして、なんとならば全剣連杖道の教科書に書いてあることがおおむね出来ている、全体の方向性として間違ってないように遣えている、ということかと思うからです。

普段稽古している者同士で合うというのは言ってしまえば当たり前のことで、見知らぬ人、めったにやらない人とやっても合う、というのはお互いきちんと技が遣えているからだと思うわけですよ。

そういうわけで、これからも健康を害さないようにしつつも地道に上達に取り組んでいきたいと思います。


余談。
もう1つ先日の旅の武道関連の写真がありましたわ。

奈良、興福寺の片隅にて。

奈良の興福寺と言えば国宝の仏像だけでなくて、宝蔵院流槍術の総本山ですからね。
その割にはちょっと目立たないところにひっそりと置かれていましたけども。

2019年5月21日火曜日

れいほう

今日はちゃんと杖道の話を書きます。

ツイッタランドの一部でまた礼法作法についてくすぶっているらしいので、それについてちょっと思ったことを書いてみたいと思います。

立礼の際に、全剣連式では刀は右手に持って礼をします。
他方で、神道夢想流の立礼では左手に刀をもって礼をします。

さて、これはどっちかが間違いでどっちかが正しいのでしょうか?
そんなことはない、と私は思いますね。

それぞれに理由があり、それぞれに経緯があり、そのうえでそのような形に行きついているわけで、どちらもがそれぞれに正しい作法なのだ、とでも言えばいいのでしょうか。

全剣連の杖を遣うときは右手に持って立礼をする。
神道夢想流として杖を遣うときは左手に持って立礼をする。
それ以上でもそれ以下でもないわけですよ。

よそ様の礼法作法については私はほとんど知識がありませんけれど、言えることは「うちではこうしてます」、それだけであって、「うちと違うのは誤りであり外道であり邪法だ」なんて、そんな物言いこそが失礼な話だと思いますね。

何度引いたか忘れましたが、また論語から引用しておきます。

・巧言令色、鮮し仁。
・剛毅朴訥、仁に近し。
・子、大廟に入りて、事ごとに問う。或るひと曰わく、孰か陬人の子を礼を知ると謂うや、大廟に入りて、事ごとに問う。子これを聞きて曰わく、是礼なり。

2019年5月19日日曜日

ぶどうか!

ただの物見遊山だけではなかった証に、少しは武道家らしい視点でも旅をしていたのだという写真をいくつか載せてみましょう。

まずは滋賀県多賀神社の奉納額から。


愛知県を中心に今も残る「棒の手」と呼ばれる芸能の奉納額。
棒の手というのは武道のような、奉納舞のような、そんな感じのもののようです。
関ケ原を越えて滋賀にまで奉納に来たんでしょうか。


次いで、彦根城博物館から、武家のたしなみである能の装束。

この狩衣の何がすごいかって、一見すると白いところと赤いところは違う布を切り貼りしてあるようで、実は1枚の布として連続的に織って柄を出してるところ。
凝ったことしてますよねえ。


滋賀の南の山奥、信楽駅の駅前。

でっかい信楽の狸の忍者姿。ニンニン。
この辺りは伊賀と甲賀の忍者の名産地ですけども、甲賀は「こうか」と濁らずに読むのが正解だということを今更知りました。


続きまして、水の都、郡上八幡から。
写真右下の板を使って水路をせき止め、
それを日常の洗い物などに使うのだそう。



郡上八幡城は木造で再建された城としては一番古いとかなんとか。
再建天守には違いないけど、木造というところが一味違います。
展示品も甲冑とか武器とかあったんですが、鎖鎌だの分銅鎖だの、マイナーなものが置いてありました。
鎖鎌の鎖も分銅鎖もあまり長くないけれど何流なのか気になるところ。


とまあ、数は少ないんですけれどこんなところで。

2019年5月17日金曜日

かんこう!

ただいま!おかえり!

ということで帰宅しました。
別段、わたくしはどこかの観光協会の回し者だとかそういうことはないんですけども、旅の途中で立ち寄ったエモい風景などをちょっと紹介したいと思います。

まず滋賀県から。


琵琶湖の北西、高島市のマキノ高原メタセコイア並木。
白シャツにジーンズのカップルが爽やかでなおエモい。
ちなみにこの二人に「写真撮ってもらっていいですかー?」って声かけられました。
もちろん撮ってあげました。


同じく琵琶湖北西、白髭神社。
琵琶湖に浮かぶ鳥居がエモい。


国宝、彦根城の天守閣。
このひこにゃんはカキワリ。

こっちは生身。


続きまして、福井県から。


日本3大松原の1つ、気比の松原。2回目の訪問です。
佐賀県の虹ノ松原も行ったので、あとは静岡県の三保の松原だけですね。

いまだ雪を頂く山を背景に、勝山市。
白い卵みたいなのは恐竜博物館。

そして、今回の旅でたぶん最もエモい場所、恐竜博物館から車で15分ほどの場所にある、平泉寺白山神社(へいせんじ はくさんじんじゃ)。

苔むした並木に挟まれる参道。エモい。

参道わきの池。
エモすぎてもう聖剣伝説2かもののけ姫の世界。

こんなに素敵な場所なのに人気も少なく大変静謐な雰囲気。
みんなに知ってほしいけど、
かといってあまり人であふれかえってほしくない、
アンビバレンツ。


さらに山を越えて石川県に入ります。

白山から流れ出る手取川の、不老橋からの風景。
甌穴(おうけつ)と滝が織りなす景色。

今回の旅の目的の1つ、石川県立歴史博物館。
およそ1000年ぶりに公開される神社秘蔵の神像が展示されています。




展示物も素晴らしかったんですが、歴史博物館の建物自体がまた素晴らしい。
戦前の陸軍の兵器庫が転用されているそうで、レンガの佇まいやロマネスクあふれる内装がとても印象的。


多目的コーナーでは甲冑や武器の仮装コーナーがありました。
鯰尾形兜(なまずおなりかぶと、真ん中と右の平たい頭の兜)って、めっちゃバランス悪いですね、これ。ちょっと頭を振ったらすごくフラフラするんですけど。
お、刀はちゃんと金属製の刀身の模造刀じゃーん、って大刀の目釘が折れてなくなってるやんけ!(武道家っぽい視点) 
危ないので係りのお姉さんに知らせておきました。


続きまして、世界遺産五箇山白川郷の合掌造り集落。

雪の残る山をバックに、相倉集落。
こじんまりとしていますが、人が少なくてゆっくり見られるのはここ。

もはや説明不要、白川郷。
観光客が多すぎて多少風情が損なわれてるのが残念。


ほかにも一杯写真はあるけれど、とりあえずこんなところで。
さあ、みんなも旅に出よう!

2019年5月8日水曜日

かんふー!

杖道とは全くと言っていいほど関係ないんですけども、先日「イップマン外伝 マスターZ」というカンフー映画を見てきました。

詠春拳の達人がマフィアの抗争に巻き込まれてやっつけるという、単純な勧善懲悪ものですけれども、カンフーシーンが素晴らしく見ごたえがあります。
敵のボスが大変体格のいい大男でありまして、しかも拳法を使うということで、「デカイやつがテクニックを身に着けると手に負えない」ということがひしひし伝わってきます。

冒頭のシーンでは
「お前の拳と俺の拳銃、どっちが早い?」
「7歩までなら俺の拳だ」
「ちょうど7歩の間合いだぞ」
(格闘シーン)
「上着のせいで銃を抜くのが遅れたろ」
などという大変にカッコイイやりとりもありまして、こんなセリフ言ってみたいよなあなんて思いましたよね。…思いませんか?

中国のカンフー映画は大変に格闘シーンが凝っている点が素晴らしい。
主演のマックス・チャンも実際に全国大会で入賞するほどの武術の腕前なんだそうで、ほかの役どころもみな目を見張るような動きを見せてくれます。

最近の日本の時代物の映画やドラマで「これはいいな」というほどの殺陣は「仮面ライダーオーズ 将軍と21のコアメダル」以来ちょっと記憶にないのが悲しいところ。
昔は三船敏郎や勝新太郎をはじめたくさんの見事な遣い手がいたのですから、ぜひ今一度奮起していただきたいですね。


話は変わりますが、またちょっとの間旅に出ますので更新が止まります。
防犯的には旅に出るなどと公にすべきではないとされていますが、私の場合は何も言わずに更新が止まると「コイツ死んだか?」といういらぬ疑いを招きますのでね。

2019年5月1日水曜日

かいげん!

令和の時代が明けましておめでとうございます。

まさに正月が2度来たようなおめでたい雰囲気でありまして、たいへん結構なことです。

元号が改まったからといって、杖道が何か変わるということもないわけでして、またこれから令和の時代も変わることなく稽古に励みたいと思います。

ところで、新しい時代に何か新しいことを始めたいという、そこのあなた!

杖道いかがですか?