2020年11月25日水曜日

けいこぎ

 普段の稽古で着ている道着が色あせてきたので、そろそろ買い換えようかと思って武道具屋さんに行ったら

「そのタイプは今はほとんど出ないから置いてないんです、取り寄せになりますけどいいですか」

と言われてしまいました。


私が普段使っているのは「綿の一重の剣道着」「化学染め」の道着で、通年着られるし遠慮なく洗濯できるしお値段も手ごろだし、といって重宝しています。

私が杖道を始めたころは剣道の世界でもまだそれが普段の稽古用として普通だったようですし、どこでも置いていたと思います。

ところが剣道の世界ではこの10年か15年の間にだいぶ様子が変わったようでして、武道具屋さんの話によれば、

「今はもう生徒さんから先生まで普段の稽古はみんなジャージの剣道着」

「綿の道着は化学染めをすっ飛ばして本藍染めの試合用・審査用までいっちゃう」

なんだそうです。

剣道での利便性を考えると、そりゃそうだろうなあと思いますよ。

ジャージ生地は動きやすく、洗濯しやすく、すぐに乾くし、値段も安い。


ただ、杖道ではジャージ素材だと打突が滑るし防御性能でも綿に劣りますから不向きです。

水月への突きを受けた際に、やっぱり綿の道着だと衝撃の通り方が柔らかいと思います。

杖道委員の先生も「やっぱり綿でしょ」っておっしゃってましたしね。

かといって本藍染めは洗濯が大変なので普段使いとしてはちょっと使いにくい。普段用としては化学染めが気安く使えるかなと思います。


少々値段が上がってもいいから、細々とでも化学染めの綿道着がこの先も生産され続けてほしいなあ…。

2020年11月23日月曜日

かわつば

 前回、「なんでそんな得体のしれない中古の木刀を買ったんだ?」というところで終わりましたね。

その答えがこれ。

革鍔です。

上が普段私が使っているもの、下がお古の木刀についてきたもの。

見て、この分厚さ!!

私がずっと使っている上の革鍔と比べて倍くらい厚いです。上の鍔だって決して悪いものじゃないんですけどね。

正直な話、木刀よりもこの革鍔が目当てだったんですよ。こういう分厚い鍔は今は手に入れようと思っても手に入らないそうですから。


2,3年前に某先生が自分の革鍔を指して

「この革鍔、分厚いやろ。実はコレな、亡くなった前の先生のやねん。こんな鍔、今どきどこ行ってもないで」

「お葬式の後の形見分けの席でな、道着とか杖とか木刀とかいろんな本とかいっぱいあったけど、コレが一番値打ちモンやと思うてな、『私は若輩ですからこの小さいもので結構です、先輩の皆さん方どうぞ』って言うて真っ先に飛びついて押さえといたんや、わっはっは」

なんて自慢(?)話をされてたのを覚えてたんですよね。

念のため申し上げておきますが、これは「亡くなった師匠の形見を今も大事に使い続けている」という大変心温まるお話ですよ。


さて話を戻しますと、購入した際ネットの商品説明では「古い木刀です」としか触れられてなかったんですけれど、写真を見た瞬間に「ん、この鍔、かなり厚いな!?」とピンと来てサクッと買っちゃいました。

お値段は中古の木刀としてはそこそこしたんですけれど、まあこの鍔を買うと考えたらかなりお安いと思います。木刀のほうもかなり値打ちものだったようですし。

さすがに長年放置されていたために汚れやカビがいくら見えたので、アルコールで拭いたり手入れをしましたけども、これから大事に使っていきたいですね。


ところで、今更「100円で樹脂の鍔が買えるのに、なんで何千円も出して革鍔なの?」って疑問を抱いてる杖道家はいませんよね?

答えはもちろん、「樹脂だと撃ち合いで割れて危ないから」です。

私も最初はプラ鍔でしたけど、1年たたずにウチバリ(引落打)の練習で割られてしまったので、すぐに革鍔を買いに行きました。

以降20年近くも使い続けているんですから、そう考えれば安いものです。

2020年11月22日日曜日

ぼくとう その2

今回も木刀の話。といっても前回の話とは全然関係ないんですけど。

こちら、今現在私が持っている木刀(大刀)の一覧。


上から順に、最初に使っていた剣道規格の白樫木刀。

ちょっと洒落っ気を出して買った、椿の木刀。

いま主に使っている杖道規格の木刀。

そして最近買った中古の木刀。


柄の線で揃えてみると、結構違いがわかりますね。特に柄の長さと反り。

こうして比べるとやっぱり剣道規格の木刀は反りが強いことが分かります。測ってみると2cm以上あるみたいです。

以前にも写真を上げたことがありますが、古い方の木刀はウチバリ逆バリ(引落打、逆手打)で撃ち合うところがささくれて危ないので引退させました。切っ先もかなり削れているのが分かります。どちらも杖道の太刀の宿命ですね。



椿の木刀は…まあただの好奇心みたいなものなので特に言うことはないです。木目がキレイで手触りが良い。重さも樫と大差なく、撃ち合っても結構丈夫だという触れ込みです。素振り以外で使ったことはあまりないですね。


上から3番目の今使っているものはだいぶ色が染みついて「ホントに白樫?」みたいな感じがしますが、間違いなく白樫です。鍔止めのあたりを見るとよくわかります。ちゃんと定期的に拭き掃除もしてますが、どうしても色が沈着するのは致し方ないところですね。


最後に、色の黒い古い木刀。

正直なところ、この木刀はネットで素性や詳細がよくわからないまま買ったのですが、手元についてみると柄の長さと言い、反りと言い、革鍔がついていたことと言い、ひょっとしたら元は杖道をやっていた人の物ではないかという気がしています。

その割には鎬や峰のエッジがシャープで撃ち合った跡が見られないので全く違うのかもしれませんが、規格が近いものが手に入ったのは思わぬ幸運ですね。剣峰だから上等な部類のものであろうと思いますし。

切っ先の作りが独特ですが、どうもこの形状は関東型と言うらしく、発送元も関東だったしそちらの方面の先生がお使いだったのでしょうかね。

素材は木目や重さや感触からすると樫っぽいけど、明らかに白樫ではないし、赤樫としても黒味が強い気がするし、でもやっぱり色が染みついた赤樫かなあ、うーん。


「なんでそんな得体のしれない木刀を買ったんだ?」って?

それはまた次回。

2020年11月21日土曜日

ぼくとう

 Q.杖道に用いる木刀の規格について書きなさい(難易度:杖道2段審査相当)

全長:

刃渡り:

柄の長さ:

反りの大きさ:

素材:


このブログに来られる大抵の方は杖道の有段者らしいので、皆さんこれくらいはすらすら解けますよね?

大丈夫ですよね?


それでは解答です。

全長:101.5cm (3尺3寸5分)

刃渡り:約77cm (2尺5寸5分)

柄の長さ:約24cm (8寸)

反りの大きさ:1.5cm (5分)

素材:白樫(鍔は革)

メートル法が世界標準なんですが、武道具は古めかしい日本の伝統から来ているので尺寸のほうがしっくりきます。平成生まれくらいになるとそうでもないのだろうか。


しかし、この規格を満たす木刀というのは実はかなり入手が難しくて、一般的に販売されているのは柄が約26cm(8寸5分)のものばかり。

全長は一緒ですが柄が長い分だけ刃渡りが短く、さらに反りも5分より大きいです。

規格を満たす木刀は、一部の師範や道場が武道具店経由で製作所に特注したものがほとんどのようですね。私が持っているのもそのたぐい。

杖道をやる人みんなが手にするのはなかなかに難しい状況です。

個人的な欲を言えば、師範ごととか道場ごとじゃなくて全剣連杖道部として生産者に依頼して大量生産にかかるようにしてほしい、とは思います。

少なくとも数千本は需要があるわけですしね。

ただ、2020年現在、全剣連杖道部がどうこうは抜きにしても簡単には行かないという事情もあるようです。


ちょっと聞いたり調べたりした範囲では、

・木刀の生産はほとんどが宮崎県都城市に集中している

・なおかつ生産者は数軒の木工所に限られる

・うち1軒の大手が最近廃業した(私の木刀もここが作っていたらしい)

・そもそも上等な材料が枯渇しかかっていて継続的な材料確保の見通しが不透明

という状況のようですね。

そのあたりの事情はこの辺にもう少し詳しく書かれています

ただ、これを読むと長いこといいものを安く卸してくださっていた有難さがある一方で、ダンピングによって業界の将来を損なったとも見えて、単純に残念だなとも思えない一面があります。

このブログの最初のほうの記事に「木刀・杖は大体3000円」なんて書いた覚えがありますけど、そういう時代じゃなくなったし、木刀製造業界の継続のためにはもっと早くに適正な値段になってなきゃいけなかったのかなと思います。

私が杖道を始めた時に先生から「木刀より革鍔のほうが高いから、こっちのほうを大事にしとけよ」と言われたものですが、それも変わっていくのかもしれません。

なんにせよ、杖道と神道夢想流が今後も長く続くためにも、木刀や杖がずっと手に入るようであってほしいし、杖道規格の木刀が手に入りやすいようになってほしいと思います。

2020年11月19日木曜日

かなしい

 楽しみにしていた講習会が例のアレで直前になって中止だと連絡が来ました。

ああああー、ホントにコロナのやつは…。


しょうがないので感染に気を付けながら平素の稽古を充実させるようにいたしましょう。

もうそれしかない。

悲しみを力に変えて、振れよこの杖。

2020年11月12日木曜日

ざんねん

 ぼく「上司さん、1月に東京に行ってもいいですか?」

上司「え、無理でしょ。東京の感染状況が1月に今より良くなってると思えないもん」

ぼく「ですよね~」


と言うわけで、新年1月に行われる6段7段昇段審査の詳細が発表されましたが、私は残念ながら行けそうにありません。誠に残念です。


会場である江戸川スポーツセンターはちょっと行けばもう千葉なんだから、いっそ千葉の浦安とか市川とか船橋でやってくれればもうちょっと行きやすかったのにと思わなくもありません。

ただまあこういう物言いは「地方でやれば東京から来るなと言い、東京でやれば行けないから地方でやれと言い、東京を何だと思ってるんだ」と、東京の人からすれば大変腹の立つところでもありましょうから、あんまりよろしいものではありませんね。


そう、なんもかんもコロナが悪い。

2020年11月8日日曜日

きくばり

 前回書いたように、今日は昇段審査会でした。


相変わらずマスク装着、役員係員はさらにフェイスシールド付きという重装備。

一部の受審者はかなり息苦しくてつらそうでしたね。

そのうち事故が起きるんじゃないかとヒヤヒヤします。

また前回同様に各自自分の道具を使用するという変則的な仕打ち交代での審査なので、事前の説明は念入りに行いました。

「行いました」、はい、そうです。今回も私が号令係(と言う名の雑用)でした。


結果は皆さん合格ということで、「なんだそれ」とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんけれど、「基本的に合格ラインに達している人しか審査に推薦されない」という前提があるという事情も付け加えておきたいと思います。


ところで審査が終わって片付けしながら先生がぽろっと

「やっぱり仕打ち交代前に道具を交換しに下がると、そこで気持ちが切れるな」

と漏らしていらして、さすがによく見ていらっしゃるなと思いました。

そうなんですよね、本当は型が終わって仕打ち交代する間もずっと相手から視線を外さない、気配りを切らさない、というのが大事なんですけれど、コロナ対策とはいえ道具を交換しに下がるとどうしてもそこで途切れちゃいますもんね。


まだしばらくはこんな形でやらざるを得ないんでしょうかねえ。

早く元通りになってほしいと事あるごとに思います。

2020年11月6日金曜日

さながら

 明後日は令和2年度秋季昇段審査会が予定されていて、今日の稽古もそれに向けたものとなりました。

稽古のお手伝いをしながら思い出した言葉があって、受審者や後輩諸氏にも伝えたんですけれど、

「稽古は本番さながらに」

「本番は稽古さながらに」

っていうの。


試合や審査となるとついいいところを見せなきゃと思ってつい力が入ったりしますよね。

逆に稽古ではしょせん稽古だと思ってつい気が抜けたりします。

そうじゃないんだよ、いざという時と普段の稽古とで違う技、違う形を使うわけじゃないんだよという、言われてみれば当たり前の話なんですけども、なかなかそれができないんですよね。


受審される皆さんは、いつもの通りにいつもの稽古でなさっていることをなされば、きっとそれに応じた結果が表れることでしょう。

2020年11月5日木曜日

かんぷう

寒風吹きすさぶ季節がやってまいりました。

学校の体育館を間借りしている杖道団体は当然学校の定める感染予防方針に従って稽古をするわけですけれど、これからの季節の問題が「換気」ですね。

感染予防の一環として体育館は常時換気と言うことになっているんですが、これからの季節はそれを徹底すると却って寒さのために体を壊して感染を進めてしまうように思われます。

施設管理者としては「窓も戸も閉めていいです」とは言えないんでしょうけれど、「30分に1回換気」とかの方法で代替させて頂きたいところです。

「コロナ予防のために窓を開け放して稽古していたら、寒さで風邪を引きました、関節が痛みだしました、心臓が止まりました」ではなんにもならないですからね。


皆さんもコロナだけじゃなくてほかの色々な障りに気を付けて稽古してくださいね。

2020年11月1日日曜日

ひきこむ

あまりいい話が聞こえてこない昨今ですが、聞くところによると映画「鬼滅の刃」が大ヒット上映中だそうでして、近年まれにみる売り上げをたたき出してるとのこと。

鬼滅の刃のヒットはだいぶ前から言われていたことですが、主人公が竈門炭治郎で、杖道の聖地であるところの宝満山竈門神社が主人公の名前にあやかって人が集まっているそうで、恒例の奉納演武・稽古を目にするファンもいるとかいないとかで、そこから杖道に入る人が増えた…とはあまり聞きませんね。残念ながら。

私は鬼滅についてはあまりピンとこなかったので触れてないんですけれど、刀を振り回すファンタジーなバトル物らしいですから、かつてスラムダンクでバスケが流行り、ヒカルの碁で囲碁が流行ったように、皆さんも流行りに乗って武道武術に興味を持ってもらえたらありがたいですよねえ。

もっとも、子供は特に興味がうつろいやすいものですし、若いうちはどうしても進学とか就職とか結婚とか出産とか人生のステージが変わるたびに取り組むものが変わりがちですから、それをずっと引きとどめておくことは大変難しいのですけれど。

けれど、それでも、新しい人を入れ続けないことには続きませんから、鬼滅の刃にハマった皆さんはどうぞ軽率に武道に、特に杖道に身を投じていただきたいと思います。

ぬけだす

 今日は病院に行く日だったので稽古はお休み。

と言っても薬をもらうくらいなので稽古に行けないこともないんですが、火曜金曜と稽古に行ってますからね。

あまり稽古に行き過ぎてくたびれて仕事に差し支えてもいけませんから。


さて、どこへ行っても皆さんマスクですっかり見慣れた光景になってしまいましたね。

これ、いつまで続くんでしょうね?

言い換えると、「何がどうなったら」マスクなしで以前のような生活/稽古ができるようになるんでしょうか?

つまりは出口戦略ですね。

そういうものを全剣連はじめ、政府も自治体も企業もどこも持っていないような気がします。


もちろんコロナ騒動は過去に見られないものでわからないことも多いですから、それを今の時点ではっきりさせることは難しいわけですけれど、新型コロナが地球全土に広まってしまったからには封じ込め・駆逐されることはあり得ないわけで、その意味では「コロナが落ち着いたら」は全く無意味な言葉に思われます。

そうすると遅かれ早かれ新型コロナに罹患することを前提とした生活にならなくてはいけないように思うんですけれど、つまりはそれが以前の生活と言うことになろうかと思いますけれど、肝心なのはそれが「いつ、何が、どうなったら」そうなるのかってことなんですよね。

ワクチンが出来て行き渡ったら?

流行が日本/世界全土を覆い尽くして亡くなる人が亡くなりきって日々の死者数が収束したら?

それとももうそんな日が来ることはあり得なくて、マスクなしの生活には戻れないのでしょうか?


そういう「どう終わらせるか」が見えない政策、対策は、言い換えると「場当たり的」と言わざるを得ないような気もします。

進行性の心臓病もちとしては、残り少ない日々をこういう形で浪費することは大変に遺憾ですし、直近で言えばなんといっても東京で開催予定の6段審査にも職場の意向で行くに行かれないかもしれないわけでして、早く菅首相が思い切って解放宣言してくれないものかなと期待してやまないところです。