2021年4月29日木曜日

げんこつ

 一緒に稽古する仲間の中に拳法を長く修めている方がいらっしゃいます。

なかなか太刀の握りに苦労されているようで、曰く
「拳法では拳は当てた瞬間に握りこむ。その癖で太刀で斬りつけた際につい拳を作るように握りこんでしまって、なかなか手の内が決まらない」
だそうです。

なるほど。

太刀の斬り付けでも普段柔らかく握っておいてヒットの瞬間に手の内を締める点では変わらないと思いますけれど、確かに正拳や裏拳の形と太刀を持つ手はちょっと形が違いますからね。拳の形で柄を握るといい握りにならないですよね。

過去の経験が却ってあだになるというのは辛いところではあるでしょうが、そこを乗り越えたところにきっと私では知り得ないような喜びがあると信じて稽古に精進してほしいなと思います。

2021年4月18日日曜日

あやまり

先日の稽古で、同じ人が同じような失敗を3度繰り返していました。

それを見てふと論語の一節を思い出しました。

子曰、人之過也、各於其黨、觀過斯知仁矣、

子曰わく、人の過つや、各(おのおの)其の党(たぐい)に於いてす。過ちを観て斯(ここ)に仁を知る。

人間はそれぞれのタイプ別の失敗をする。だから失敗を見ればその人がどんなタイプかがわかる。

おおよそそんな意味でしょうか。

杖道という道は一つでも、そこを歩く人はさまざまでそれぞれに応じた指導や稽古が必要だし、何をどの順に伝えるか、あるいは伝えないかが指導する立場に立った時に重要なのかな、と思ったのでした。


さて、私はどんなタイプなんでしょうね?

2021年4月7日水曜日

だいじに

 先日、お下がりで木刀と杖を頂いた話をしましたね。
では、まず最初にすることは何か?

そうですね、お掃除です。
道具を大事に使う、その第一歩です。

何度か書きましたけれど、私の木刀と杖の手入れは基本的には「水拭き→乾拭き→乾燥」です。
サンドペーパーとかそういうのは使いません。

ただ、最近は仕上げにちょっとひと手間加えて、椿油を引くようにしています。
難しいことは全然なくて、数滴油を手に取ってそのまま摺り込むだけ。
椿油をわざわざ買わなくても、オリーブオイルでもいいんじゃないかと勝手に思っています。

人間の肌と一緒であんまり乾燥しすぎもよくないとかなんとか、どこまで本当か、どこまで効果があるのか、それはわかりません。
でもなんとなく手になじむと言いますか、単に滑るだけじゃなくて程よい吸い付きが出たような気がします。

お手入れは大事。

でも杖や木刀が汚れるまでしっかり稽古することも大事。

稽古道具は稽古のための道具ですからね。

2021年4月4日日曜日

なれそめ

 せっかく4月だし「杖道を始めたきっかけ」など書いてみたいと思います。


あれは大学4回生に上がる春休みのことでした。

地元に帰ってゴロゴロしていたらなんか肩が重たくて「はてな?」と思っていたところ、姉が一言。

「肩こりじゃなーい?あんたもトシね、フフッ」

あんたもトシね

あんたもトシね

あんたもトシね


それまで運動嫌いで全然体を動かしてなかった私でしたが、この一言で「こりゃいかん」と思い、何か体を動かすことを始めようと思ったのでした。

さて何をしようと考えた時、
すでに4回生となる身ではサークルに入るわけにもいかず、
近所のスポーツ団体に入るにしても野球だのサッカーだの近代スポーツはからっきしで興味ももてず、
当時好きだったチャンバラに絡んで武道でもしようかと思ったものの剣道は痛いしきついししんどいしお金かかるし、
柔道は高校の授業でやって好きになれなかったしもう男同士で縦四方固めなんかやりたくなかったし、
じゃあ最近(当時)微妙に流行ってる古武道的な何かをやってみようかな、それもできればあんまりお金がかかりそうになくて近所でやってて週1くらいでできそうなやつで、あんまりほかでやってなさそうなやつを…

とまあこんな経緯でネットで検索して出てきたのが「杖道」だったわけですね。

「なんか稽古が進んだら剣術とか鎖鎌とかできるっていうし、オトクちゃう?」っていう点もポイントでしたね。

ちなみに、もう1つの候補がなぎなただったんですけど、道具が長すぎて保管や運搬が大変そうとか防具代がかかるとか女性ばっかりで居心地悪そうとか、そんな理由で落選しました。

そんな割と適当でゆるふわな感じで始めた杖道が、社会人になっても続いて16年だか17年だかに及ぼうとしてるわけですから、世の中本当にわからないというか、御縁だなあというか、そんなことを思うわけです。


もし私がもう少し女好きだったら、今頃このblogは「岡山でなぎなた」だったかもしれませんね。

2021年4月3日土曜日

おさがり

 先日、某先生の断捨離のおすそ分けをゲット。


古い先生方が段々に身を引かれたり鬼籍に入られるのは悲しくもありますが、業も物も受け継いでいくことが大事かなと改めて思います。

だからと言ってこんなに1人でもらってどうすんの、自分の分だけでもすでに木刀3本、杖2本、短杖やくるみ竹刀まで合わせたら両手でも数えきれないくらいあるでしょ、って話なんですが、木刀や杖もいいものは段々入手しにくくなってきているようなので、古いものでもよさげなものは手元に置いておくほうがいいのかなと。
将来後輩ができた時に「杖も木刀も手に入らないのでやっぱりやめます」なんてことにならないようにね。
特に柄8寸の木刀は貴重ですから。

いつか私が杖道から離れるとき、また誰かに受け継ぐことができたらいいなと思います。


そしてこれは別件で手に入れた巾着。

エジプトの神、メジェド。

この神の名は「打ち倒す者」の意味だそうで、一見子供の落書きのようなその風貌からは思いもかけない力ある神なのだそうです。

この巾着は、これまた木刀に比例して枚数がかさんできた革鍔入れにします。


ちなみに、この巾着は高梁市成羽美術館で購入できますから、興味のある人はぜひ岡山県高梁市へお越しください。
備中松山城、吹屋地区ベンガラの町並み、鍾乳洞などが見どころです。
お土産はゆべしがオススメ。