今日聞いたところによりますと、全剣連と岡山県剣連から通達があって、当面の間コロナ感染予防のために道場に集まっての稽古は自粛ということだそうです。
先日から緊急事態ということで東京などで都市封鎖もあり、また愛知県警では剣道の稽古で100人も感染の恐れありというニュースもあって、致し方のないところではあります。
こうなってくるとますますもって一人稽古の重要性が増してくるわけで、構えの稽古、太刀の素振り、杖の基本打ち単独動作をたゆまず続けられるかということが先々の結果を左右しそうな気がしますね。
かといって室内で長物を振り回すわけにもいかず、公園などで振り回すと御用になる恐れもあり、手ごろな場所がない人はちょっと辛いことになりそうですね。
ところで、今の私が言及するような話でもないんでしょうけれど、「宗家、師範、代表が倒れた時にどうするか」っていう備えがある流派、道場ってどれくらいあるんでしょうね。
ただでさえ後継者不足稽古者不足が言われるマイナー武道武術界隈で、「うちのところはいつ何があっても大丈夫です」とはなかなかいかないような気がしています。
下手するとこの災禍の中で永遠に失われてしまう流儀も出てくるのではないかと心配しています。
いまから慌ててどうにかなるような話でもなし、ただただ広く皆さんが無事であることを願うばかり。
この手の話を思う時、いつも故・桂米朝の小噺を思い出します。
「私が50歳の時分に、弟子に『師匠、そろそろ米團治を襲名しはったら』て言われたんです。そん時は『まだ早いな』言うてね。
ほんで60歳のときですわ、また『師匠、そろそろ』『まだ早いな』ておなしように言うてね。
次は70歳のとき、『師匠、もうよろしいでっしゃろ』『もう遅いな』。
そういうわけで、小米朝に米團治の名前を継がそうっちゅう話になったんですわ。」
桂枝雀、桂吉朝という2人の大きな弟子を失ったうえでのこの小噺、なかなか笑い飛ばせないものがあるかと思いますね。
0 件のコメント:
コメントを投稿