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さて、今日は袴の紐の結び方の話。
前にちょろっと伝達講習会で話題になったなあ、という思い出があります。
杖道の稽古では結び切り(固結び)が基本でそれ以外の結び方はあまりしませんが、一応一文字とか十文字とかの結び方をする方もいらっしゃいますね。
以前に、「着物のことは着物を普段着で着ていた時代の人に聞けばよかろう」と思い、
明治生まれの祖母が存命だった時分に「袴の紐の結び方って、コレが正式とかコレは略式とかあるの?」って聞いたことがあります。
返事は
「そんなん好きにすりゃあええ」
でしたね。
ただ、この「好きにすりゃあええ」はちょっとそのまま受け取ってはいけないような気がするんですよね。
例えば、私が学生さんに「ネクタイの結び方って何か決まりがあるんですか?」と聞かれたら「そんなのないよ、好きにすればいいよ」と答えるでしょう。
だけど、実際にはシャツの襟の開き具合やネクタイの幅や厚み、スーツの襟の形状などを考慮してウィンザーノットにしたりダブルノットにしたり、ちょこちょこ使い分けをする人も普通にいるわけですよ。
同じように、袴の紐も一文字、十文字、蝶結び、結び切りくらいの使い分けは普通にありそうですよね。
武道で結び切りが多用される理由って、動いてもほどけにくいことに加えて、道着という非常に画一的な服装をしているからではないか、という推測ができそうな気がします。
袴の紐については、私はむしろ「結び切りをした後の端の処理」のほうが実は引っかかってるんですよね。
私が杖道を始めた時、
「袴の紐は下から挟んで留めておけ」
と習いました。
ところが、数年前から
「袴の紐は上から挟んで留めるように」
と言われるようになり、伝達講習会でも地区講習でもそのようにアナウンスされています。
上から留めているところ
下から留めているところ
「上から留めろ」と言われだしたのが、確か今から10年近くも前になるんでしょうかね。
面白いことに、いま杖道委員を務めていらっしゃる先生もいつだったかの地区講習で下から紐の端を留めていらしたのを見た覚えがあります。
やっぱり昔からの杖道あるいは神道夢想流の作法としては下から留めるのが正解なのではないか、という疑問をいまだに捨てきれません。
その理由さえ私は知らないのでこれ以上はなんとも言えないんですけれど。
だれか今度の山梨での講習会か勝浦の講習会で委員の先生に尋ねてみていただきたいところです。
あ、私はどちらも行かない予定なので(超人任せ)。
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