例によって例のごとく、なんちゃって5段である私がこれまでこんなこと言われてきたな、というネタのおすそ分けであって、
もっとちゃんとした先生から指導を受けられる人はそっちを聞いてくださいという程度のお話です。
今回のお題は「中心」。
仕・打の互いの中心を結ぶ線です。
とりあえず中心線と言うことにします。
中心線について構えの中で、型の中で意識できてますか?
特に正対、やや半身、真半身と構えを移すときに中心線からずれてないですか?
ということを見てみたいと思います。
型の中で「どう動くか」はわりと皆さん一生懸命おぼえるんですけど、「どこにいるべきか」「どこに向かって動くべきか」ということはついなおざりにされがちな気がします。
それではさっそく写真で見てみましょう。
例としては、3本目・引提とか7本目・霞なんかをイメージしながら見るとよろしいです。
初め正対している状態。
打太刀と仕杖を結ぶ線はこの白線です。
ありがちな失敗。
後構え、霞の構えに取ったとき、もと居た線の上からずれています。
白線が互いを結ぶ中心線なのだから、
この線の上で真半身に構えるのがよろしいですね。
角度を変えて。
ついやってしまいがちなやつ。
中心線にいたはずが…
後構え、霞に構えたら向かって右に外れて…
踏みかえて打太刀と合わせて構えると、
今度は向かって左に外れる。
その場で構えを変えるだけのはずが、右に左にふらふら動いちゃってますね。
これをやっちゃうと互いを結ぶ線がずれちゃって、型の理合いが崩れてしまうんです。
「太刀は正面を斬る」となっているところが、正面に杖がいない、体1枚ずれたところにいる、というようなことになってしまうワケですね。
特に起こりやすいのは「下がって構える」というときだと思うんです。
前に出るときは相手が正面にいて出るべき方向が見えてるからそんなにぶれない。
だけど、後には目がついてないし見えないから、つい軸足の後ろに下がる足を回り込ませてしまいがちです。
これは仕杖だけでなく打太刀も同様で、5本目・左貫や11本目・乱留で立て続けに下がるときに元の中心線からずれた方向に下がる人がちらほら見えます。
打太刀としてはただ下がるのではなくてあくまで次の攻撃に備える意味で下がるわけですから、下がる方向が狂うと相手を正面から逃してしまって次への備えが不十分になってしまう、ということになるんじゃないでしょうか。
それでは中心線から外れないようにどう対策するか、ということですが
両足の母指球をまっすぐ前後させる
というのがコツだと思います。
あくまで私の個人的な感覚ですけども。
このあたりの足の運び方は第1回でも書いたところですので、よろしければまた見直してみてください。
ちなみに、意識してこの中心線を外す動きもありますよね。
2本目・水月、4本目・斜面、6本目・物見、あるいは基本打ちの繰付の用意の構えなどがそうですね。
打太刀の斬り付け、斬り下ろしに対して中心線=攻撃ラインから逃れて、同時に攻撃を繰り出す、という動作です。
次の動作からは新たな中心線に変わって型を遣うことになりますね。
さて、もう一つ考えておかないといけないことがあって、
型の中で相手がずれてしまったら、ずれたのに合わせて技を遣うべきか、本来あるべき位置に向けて技を遣うべきか
ということ。
言うまでもないかとは思いますけど、それはやはり「今まさに相手がいる位置に向けて遣う」というのが答えでしょう。
ずれたらずれた位置に向けて太刀を振るう、杖を遣う。
型の理合いだけにとらわれて居もしないところに技を遣うのは本末転倒というもので、そこは臨機応変に遣うのがでよろしいんではないでしょうか。
そういうわけで、この中心線というものをきちんととらえて動くあるいは構えることができるようになると、またちょっと初心者の皮が一枚剥けるかなあと思うのであります。
余談。
私が以前に8段の先生に指摘されていまだに治らない癖。
これはまあまあの足配り。
これがNGのやつ。
何がまずいかわかりますかね。
下げた足が前足の後ろよりさらに回り込んで下がってる。
中心にいるようで、実は足が回り込んじゃってて構えが不十分、体が相手を向いていない、という例でした。
人のこととやかく言ってる場合じゃない。
精進しましょう。
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