2019年8月16日金曜日

なかつか

刀を握るときは手を離して握るのが基本とされていますけども、たまーに
「もともと刀を握るときは手を詰めて隙間を開けない握り方をしていたのだ」
「手を放して握る今のスタンダードは後世作られたものだ」
「それが証拠にいくつかの絵図では手を詰めて握っているではないか」
みたいな話が聞かれます。

私はその辺の歴史的な事情に明るいわけではないので真偽のほどは知りませんが、神道夢想流の型の中には
「打ってきた杖を刀の中柄で受け止める」
という型がいくつかあって、そういう面から見ると少なくとも神道夢想流では「離して握る」のが基本なんだろうという気がします。

具体的には後杖のその2(前後の後というべきか)と乱合ですね。

ただ、乱合はおそらく後になって追加された型でしょうし、後杖も替え業があるようなので、この2つの型をもってその証明とするには不足なのかもしれませんけれど。

もう少し視野を広げて考えてみると、本当に詰めて握るのがもともとだと言うのなら、歴史の古い流派にそういう作法が残っててもよさそうなのですが、どうもそういう気配はなさそうな気がします。
竹内流とか香取神道流とか、もう少し下って新陰流系とか、いずれ劣らぬ歴史ある流派ですけれど、それらのどの流派も詰めて握るような動画や写真は拝見したことがない。
私が見てないだけだという可能性も十分ありますが、「うちの流派では代々これで詰めて握ってます」的な流派が1つくらいあってもよさそうな気がするんですよね。
それともすでに途絶えてしまったのか。
結局のところよくわからん話です。

ま、よそ様の言説はよそ様のお考えがあってのことでしょうし、私は私が教わったように遣うだけです。

0 件のコメント:

コメントを投稿