と言っても特段難しい話じゃなくて、
居合と杖とで座り方が違うよね
というお話です。
まずは杖道の座り方から。
開始状態。
左足を引いて腰を落とし、立膝になる。
袴で見えないけど、脚はこんな感じ。
右足を引いて、両膝を立てた状態。
腰をおろして、正座。
立ち上がる時は逆再生ですね。
ここで見ておきたいのが、立っていた時のつま先の線と正座したときの膝の線が一致しているという点ね。
次いで、居合道式。
といっても私は居合をしてないので見様見真似ですけど。
開始状態。
その場で膝を割って、手で袴の裾を捌いて腰を下ろしていく。
…今更ですけど、ホントは右手で裾を捌くんですよね、左手は鍔を抑えてるから。
いつも右手に杖を持ってる癖が!右手に杖を持ってる癖が!
気を取り直して、静かに正座。
見た通りで、居合道式だとつま先を引かずに座るので膝が前に出るんですよね。
で、みんな揃って礼をするときは、やはりなるべく列がそろっているほうが美しい。
道場の構造で並び方は変わるので、図はあくまで講習会なんかでよくある一例ということで、大体は右に高段者が来ると思うのでこの図で。
ちなみに私が習ったのは「上座の人より膝が前に出ることがないように、わずかに雁行するのがよい」という作法でした。
ちょっとずつ下がる。
普段だと杖道の時は杖道式で、居合道の時は居合道式でみんな同じ座り方をするから問題にはなりにくいと思うんですけども、
たまに杖道の時でも居合道式の座り方をしたり、その逆もあったりするわけですよ。
そうすると、着座したときにラインがデコボコになっちゃう。
「あ、やっちゃったな、違う座り方しちゃったな」と気づいたらさっと列をそろえればいいだけの話なので、それが悪いとかどうとかいうことはなかろうと思いますけども。
そういうわけで、着座したとき、起立したときに、列が乱れてないかどうかをちょっと気にして整える癖をつけておくといいのかな、と思ったのでした。
そういうお話です。
おまけに、もう少し進めて「なぜ座り方が違うんだろうか?」というところまでちょっと考えてみましょう。
あくまで私の考えですけども、杖道だと道具を両手で抱えて座るシーンが出てくるわけですよね。
そうすると「裾を手で捌く」ということができなくなるわけで、足を引いて座るほうが自然ときれいに座れるから、ということではないか。
他方、居合道では刀は腰に差したまま座るので、両手フリーだから裾を捌いてその場に腰を下ろすことができるし、それが自然だということになるのではないか。
あくまで私個人の考えです。全く違うところに答えがあるのかもしれません。
それに居合の座り方って正座以外にも跪座とか立膝とかいろいろあるみたいですしね。
もう一つ断っておきたいんですけども、別に私はどれが正しいとか間違ってるとか、どれか一つの作法が唯一絶対の正解であって他は異端だ不敬だ統一すべきだとか、そういうことは全く思っておりません。
作法礼法の違うところには必ずそれぞれの理由があるだろうし、そこに優劣も正解不正解もなかろうと思うからです。
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