2020年6月5日金曜日

きんとれ!

昨今の筋トレブームで武道家の中にも筋トレを稽古メニューに加えていらっしゃる方も増えたような話を聞きますね。

古くはぶっとい木刀や鍛錬棒なる重たい棒を振ったり、力石と呼ばれる重たい石や米俵や水の入った甕などで体を鍛えたり、そういうことはどこでも行われていたそうです。

ただ、某先生は「腕立てで鍛えられるのは腕立て用の筋肉でしょ、刀を振る筋肉を鍛えたければ刀を振りなさい」とおっしゃってまして、言われてみればそりゃそうだという気もします。

とにかく重たいものを振るのが鍛錬になるのだ、みたいな雰囲気もありますけれど、以前に一度持たせてもらった桐の木刀などは軽すぎて全然刃筋が定まらずびっくりした思い出があり、案外軽いものを精密に振るのも稽古としてはかなりいいのではないかと思いました。

杖道委員長の黒郷先生は「じっと中段に構えてあちこち注意しながら構えを直すだけで楽に1時間は過ぎる」とおっしゃっていましたし、動き回ることだけではなくじっとしていることもまた稽古になるようです。

重たいものを振り回したり、目にもとまらぬ早業を繰り返したり、そういうのは特に目を引きやすくて「かっこいい、すごい、自分もやってみたい」と思わせてくれますけれど、軽いものを精密にゆっくりと振る稽古やじっと構え続ける稽古もまた地味ながら重要なのかな、なんてふと思いました。

特に私のように体の弱い人にとってはね。

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