道場の後輩の皆さんを見ていると結構な割合でいらっしゃるんですが、
・歩くときに手をプラプラ振っている
・歩くときにドスドス音がする
・座礼から立ち上がるときに足を膝より前に踏み出す
っていうの。
杖道の価値観からは無作法とされるしぐさです。
気になったらちょこちょこ伝えてはいますけども、なにせこういうのは普段の振る舞いが無意識に現れるものですから、よほど意識しないと直りにくいところでもあります。
だけど、やっぱり「型を遣っている間だけ出来ていればいい」「道場にいる間だけちゃんとしてればいい」って言うのではせっかく杖道(またはその他の武道)を習っている甲斐がないと思うんですよね。
杖道で稽古したことが普段の生活に現れる。
また普段の生活で気を付けてることが杖道に生きてくる。
そういう相互のフィードバックがあるといいんじゃないですかね。
雖井蛙流は「武士が平素から稽古すべき心得を説いているから」という理由で「兵法」ではなく「平法」と表記するのだそうですが、つまりそういうことかなと。
余談ですが、歩き方については日本人の生活の変化によるところも結構あるのかもしれません。
故人ですが私の母方の祖母は明治生まれの人で、私が子供のころには「ほこりが立つし家が傷むからドタドタ歩くんじゃない」としょっちゅう叱られた思い出があります。
昔の日本家屋では当たり前のしつけだったんだろうと思います。
しかし家の作り自体が変わったり生活スタイルが洋風にシフトしたりしたせいか、どうも戦後以降そういうふうに叱られたという人はあまりたくさんはいらっしゃらないようで、
「そっと歩けって子供のころ言われませんでした?」って聞いても「いやー覚えがないねえ」っていうお返事をいただくことがほとんどですね。
集合住宅で育った人が「下に響くからドタドタするな」と言われたくらいなのかもしれません。
ちゃんと調べた話じゃなくて完全なる私の思い込みですけれど。
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