2019年7月30日火曜日

すいけい!

もうじき諫早市にて杖道6段7段昇段審査会および地区講習会が開催されます。
昇段審査を受審される皆さんはそろそろ気もそぞろになってることかと思います。

過去数年の合格率を見ると、大雑把には6段審査が20%~40%くらい、7段審査が10%~20%くらいでしょうか。

単純に上手い下手で受かるというものでもなし、決められた基準に到達していると審査員が判断するかどうかというものではあるんですけれど、どのレベルなら合格圏に到達するものか、この数字についてちょっと考えてみました。

例えば全日本大会だとか複数の都道府県にまたがって開催される大会がありますね。
大抵はトーナメントだと思いますけれど、2回勝ち上がれば上位25%、3回勝ち上がれば上位12.5%ですから、単純に実力だけで考えるとトーナメントを3回勝ち上がる実力があればおおよそ合格は堅い、ということが言えそうな気がします。

ただ、大会ではいきなり上位者にぶつかって敗退することもありますし、そもそもペアで審判されることが多いですし、なにより受審資格がない相手と戦うことのほうが多いという問題はありますよね。

6段審査を受審できるのは5段になって5年以上の修行をしたもの、ということで5段の中でおよそ3割くらいでしょうか。
7段審査の受審資格を持つ人は6段保持者で6年以上の修行ということですけれど、割合はたぶん同じ3割くらいでしょう。

もちろん受審資格がなくてもすごく達者な方もいらっしゃいますが、一般的には長く修行されている人ほど腕は上だということが期待されます。
そうすると大会参加者よりも受審者のほうが若干競争が厳しいということになるでしょうか。

そこら辺を加味すると、6段審査については5段トーナメント戦で3回コンスタントに勝ち上がれる実力があればおおよそ大丈夫だけれど、3回戦以上に進めないレベルだとちょっと厳しい、と言えるでしょうか。
準決勝準々決勝に進めるくらいの業が遣えるというのが目安ですかね。

7段審査だと3回勝ち上がるくらいの実力があってもちょっと厳しい、できれば4回勝ち上がるくらいの実力が欲しい、ということになるんでしょうか。
ここまでくると、6段トーナメントの決勝準決勝常連クラスってことになりますね。
実際、7段の合格者は4~6人くらいのことが多いようなので割と近い気がします。

こういう風に考えると、案外ハードル高いなって気がしてきました。
来年自分も受審するのに、こんな数字出すんじゃなかったですね。

ただ、大会や試合での判断と昇段における審査は別物ですし、ここで書いたようなことは目安になるかどうかさえ怪しい話です。
極論すれば「全員が審査を突破する実力を持った状態でのトーナメント」なんて状況も考えられますからね。
実際に大会や試合で満足に勝ち上がったことがないけれど昇段を果たしたという方も多数いらっしゃるわけですから。

必要なことは杖道に対する理解と体現の具合ですから、単に順位付けしてどうこうというものではないと思います。たぶん。
結局ここでつらつら述べたようなことはほとんど意味のないたわごとです。

そういうわけで、受審される皆様におかれましては、体調をしっかり整えて遅刻しないように現地に赴かれてこれまで培った稽古の成果を発揮していただきたいと思います。

2019年7月29日月曜日

杖道上達講座 その10:手幅のこと

久しぶりの杖道上達講座です。
書こう書こうと思いながら、なかなか手を付けられずに2か月ぐらいたってしまったネタでいきます。

なお繰り返しになりますが、この一連の記事は平凡な5段が初段2段の皆さんに向けて書く脱初心者用アドバイスでありつつ、「私はこういう点について指導を受けてきましたよ」というある種の備忘録ですので、そこのところよろしく。

さて、今回のテーマは手幅です。

構えたとき、打突したとき、正しい手幅に取ることを意識しましょう。
まとめてしまえばたったこれだけです。

そして、手幅というのは、極論すれば3つしかありません。
・およそ1/4
・およそ1/3
・半々
この3つですね。

1/4とか1/3というのは解説書の書き方で、私はそれぞれ「七三(シチサン)」「四分六(シブロク)」と先生に習いました。
握りこむ分の長さもあるので多少の揺れはあるものの、言っていることは同じです。


まず1つ目。
構えは3つ、とは言ったもののかなりの割合で1/4の手幅が用いられますよね。
本手の構え、逆手の構え、また本手打、逆手打、引落打などで打ち込んだ時の手幅はすべてこれです。

1/4(七三)の手幅

これは多く使われるだけにここであれこれ言うこともなかろうかと思います。
あえていくつか記すなら、1つには構えた時はよくても打ち込んだ時に手幅が正確でないことが多いです。
手幅が広い人、狭い人、これは個々の癖がありますので、人に見てもらって確認するとよいでしょう。
特に11本目と12本目で現れる抑止打ちとか回し打ちとか 言われる業でひどく広い人が多いようですから、ここは特に稽古のしどころだと思いますね。

少し気を付けておきたいのが、手幅がずれているときはただ手幅だけの問題でなくて姿勢や体勢のどこかよくないことが多いことです。
手や腕だけでなくて、全体を見ながら調整するとなお良くなると思います。



続きまして、2つ目。1/3の手幅。
これは繰付と雷打、あとは突外打で下がって受けたところで使う手幅ですね。

1/3(四分六)の手幅

これは広い手幅から詰めて構えることが多いせいか、つい広く取りがちな人が多いようです。
半々、五分五分くらいに握ってしまうことが多いんですよね。
この構えになる前、逆手の引落とかの時点で変に腕に力がはいったりしてると崩れやすいように思います。
もう一つは杖尾を握る手がしっかり締まっていないケース。
構えた時、握ったときにしっかり杖尾の手の内を絞ることも手幅に重要だと思います。
この辺りに気を付ければ改善する場合が多いんじゃないでしょうか。


最後に、半々というか真ん中を握る構え。つまりは常の構えです。
1つ例外もありますけども。

そして、この常の構えで手幅がよろしくない人が少なからずいらっしゃいますね。
ほとんどの場合、前が長いです。見比べてみましょう。

ほぼ真ん中

前がおよそ一握りほど長い

では、なぜ常の構えで長さが狂ってる人が多いのか。
狂う場面としては、残心の飾りを納めるときが一番多いと思いますね。

飾りから納める場面(よくない例)

これです。
見るからに前が長いでしょ。

原因の一つとしては、握りがきつすぎることがあるように思います。
ギュッと握りこんでしまうと前後の重さのバランスが分かりにくくなって、結果として前を長く残してしまいがちになるようです。

またどうしても目の前に相手がいるとそれを攻めるよう気持ちが強くなって、前に伸ばしてしまいたくなるものですからね。
正確にぴったりど真ん中を一発で握ることは難しいにしても、せめて指1本2本くらいの誤差で納められるように意識したいところです。

半々に握る場合の1つの例外というのが、11本目で見られる所謂十字構えですね。

十字構え

これは1/3の手幅から右手を伸ばして真ん中を握るわけですが、両手で握るために拳1つ分ずらしてとらないといけないところがミソですよね。
何も考えずに取ってるとつい取り足りなかったりします。
ちゃんとまっすぐ横に向かずに傾いていたりとかね。



最後に、繰り返しになりますがまとめです。
構えたとき、打突したとき、正しい手幅に取ることを意識しましょう。
あと以前にも書きましたので最後に持ってきましたけど、端を余らせずに杖尾をきちんと取る癖をつけることも大事ですよ。
分割点になるほうの手よりも、むしろ杖尾の手のほうが大事とさえ言われますからね。

こういうことは普段の基本打ちから稽古できることですから、是非とも普段から気にして直していきたいところですね。
というところで今回はお開き。
いつになるか分かりませんが、また次回。


p.s.私よりうまい人が見れば、写真に写る私の構えがすでに狂ってるじゃないかという突っ込みもあろうかと思いますけれど、それは今後の伸びしろということで心の中にとどめておいていただけると私の精神衛生上助かります。

2019年7月21日日曜日

おていれ!

湿度の高い日が続いていて、杖が全然滑らなくて嫌な感じですよね。

ということで、杖と木刀のお掃除をいたしました。

洗剤で洗うとか、紙やすりで磨くとか、人によっていろいろさまざまですけれど、私は単に固く絞ったタオルでしっかり水拭きした後、乾いたタオルで空拭きしておしまいです。

before.

after.

あとは床に転がしておいて乾燥させます。
湿ったまま下手に立てかけると曲がっちゃうかもしれませんからね。

何が変わったか分からない?
全然きれいになってない?
そんなことはありません。拭き掃除に使ったタオルを見てみましょう。

ほら、これだけ汚れてました。

なんとなくベタベタしてた杖と木刀がしっかり滑るようになって、大変気持ちよく遣えそうです。
ただ、暑いのはいかんともしがたいので熱中症には気を付けましょうね。

2019年7月16日火曜日

うそつき!

今日の稽古では久しぶりに盛大に嘘をついてしまった…。

自信満々に「この型はここを斬る!」と言いつつ、全然違うところを斬るように教えてしまいました。
危うくしばらくしてから間違いに気づいて、先生に確かめたうえで「さっき嘘教えましたごめんなさい」と訂正したんですが、気づかなかったらやばかったなコレ。

調子に乗って嘘教えて気づかないままいる案件がまだあるんじゃないかと思うと、実に恐ろしいことですよこれは。
人に何かを教える、伝えるということはとっても大変で責任重大ですね。

2019年7月15日月曜日

はちだん!

色々とこまごまとやることがあってついつい更新を怠りがちで、こまめにここを覗いてくださっている方にはまことに申し訳ない。

謝りついでにもう一つ、先日剣道8段の番組の再放送があると書いたんですが、その後再放送が取りやめになってしまったようで、そのつもりはなかったんですが結果として嘘をついた格好になってしまいました。

ところで、この番組の中で「8段とはあなたにとってどんなものですか?」と問われた受験者が
「夢ですね」
「神様みたいな存在です」
というようなことをおっしゃってました。

それを聞いてふと思ったんですけれど、「8段合格がゴールじゃなくて、果てない武の研鑽の道のりの通過点の1つなんじゃないの?」とね。

確かに8段というのは狭く厳しい門だとは思いますけれど、そこで修行の道が終わるわけじゃないはずですよね。
だから、まるで8段合格がゴール地点だと思ってやっているうちはなかなか通過は難しいんじゃないのかな、と思うわけです。
その先を目指して稽古に励まないことにはね、と。

まあ私はまだ凡百の5段風情ですからそこまで先のことを云々するに至ってないかとは思いますけれど、
何段の審査だろうとその先っていうことを考えてる人とそうでない人ではおのずから結果が違ってくるんじゃないかなと思います。

私もね、「6段審査まであと1年あるわー」じゃなくて「あと1年しかねえや」と意識を切り替えていきませんとね。

2019年7月8日月曜日

ひとりで

ネタはあれどもなんとなく体と気分が付いてこない、そんな感じでついつい更新を先延ばしにしてしまいました。

ということで、7月7日七夕の昨日、黒郷先生をお迎えしての杖道講習会が行われました。

初めて来た武道館は新鮮な景色に思われます

黒郷先生は以前から一人稽古の重要性を説いていらっしゃる方で、
「構え一つで1時間くらいすぐ経つ」
「自分のここがよくない、ここを直そう、そういう目で自分を見つめなさい」
というようなことを今回も繰り返していらっしゃいました。

こういう稽古は低段のうちはなかなか益が出ないように思いますが、
段が上がってくるにつれ教えてもらうよりも自分で直さねばならないような状況は段々に増えてくるわけでして、
そういうことを私も考えてやっていかないといけないわけですよね。

それはそれとして、
「気合じゃなくて、気迫が足りない」
「裂帛の気合、殺到する勢いを身に付けましょう」
という個人的な指摘にまずは取り組んでいきたいところ。