全剣連杖道には「解説書」というものがあって、全国どこの道場でもこの解説書に沿って技・型が遣われる、指導されることになっています。
当然、杖道修行者はまずこの解説書を理解し実践することが求められるわけですけれども、たまに「解説書至上主義」とでもいうものに取りつかれたかのような人がいらっしゃいます。
何かというと「解説書にはこう書いてある」「解説書にはそう書いてない」「解説書では云々」てなもんです。
ここで杖道委員の先生のお言葉を引用しますと
「高々100ページかそこらのこの本が杖道のすべてじゃない」
「杖道のすべてがこの本に書かれてるわけでもない」
「杖道をすべて活字に起こしたら何千ページあっても足りないだろう」
「この解説書は重要だけれども、杖道の世界はこの解説書よりもずっとずっと広くて大きなものだと知ってほしい」
というようなお話でした。
その広くて大きな世界のあれやこれやは、ずっと昔から先生方の指導と伝承を通じて伝えられてきたわけで、それを「あの先生は解説書に書いてあることができてない」とかそういうものの言い方をするのはさすがに身の丈を超えていると私は思うわけです。
解説書を無視しろと言ってるわけじゃないですよ。
広くて大きな世界のはるか遠くを目指して、でも自分の足元をしっかり確かめながら一歩ずつ前進していきたいな、とちょっと物のわかったようなことを言ってみる。