今回は「杖の持ち方、構え方」。
本来ならこれが一番最初でもいいんじゃないのっていうテーマです。
例によって例のごとく、「私が気にしているポイント、注意されてきたこと」が主眼なので、内容には偏りがありますよ。
あと、身近な先生や先輩のなさりようを見ていただくのが一番なのは言うまでもないことです。
さて、まずは常の構えから。
私が気を付けているのは3点。
1.杖の先が相手の目に付いているか
2.足の配り
3.握り
この3つです。
1の目付については、7歩の間合に相手を立ててチェックしてもらうのが手っ取り早いです。
「杖先の上下」「杖先が内向きか外向きか」という2つの軸があるので、型稽古の時にちょっと意識してみましょう。
2の足の配りについては、すでに第1回でやった通りです。
ハの字に開いてないかな、というだけ。
3の握りについて。
特に解説本に書いてあるわけでもないんですけど、写真で見てもらうのが早いですね。
私も昔よくやりました。ゆるっと、がばっと、すかすかです。
「ギュー」じゃなくて「キュッ」って感じで軽く締めましょう。
童の手を握るがごとし、ってやつです。
これだけ。
たったこれだけですけど、ちょっと印象が変わってきますから、ぜひ確認してみてください。
ちなみに、なんか杖が外向いてように見えるのは、単にカメラが近いせいです。
じゃ、次。
本手の構え&逆手の構えの手の位置について。
「あるある」なNG写真から見てもらいましょうね。
横から。
本手を取り忘れたので逆手の構えで代用。
後ろ手が下がりすぎですね。
正面から。
こっちは本手の構え。
杖尾の手が中心線に乗ってしまっています。
頭ではわかってるんだけれども、「杖先が相手の目につくように、胸の高さ、喉の高さ」って杖先ばかりに気を取られて、杖尾がおろそかになっちゃうんですよね。
特に崩れやすいのは「引提」の後ろ構えから合わせた時。
あるいはウチバリ(引落打)や逆バリ(逆手打)から前に攻めて出た時。
もう1つ加えるなら引落の構えから打ち込んだ時。
動いてるときは次の動きに意識が行ってしまって、つい形がおろそかになりがちなので、型の順序を覚えるのと並行して、形を整える稽古もするようにしたいですね。
「意識せずにしていることを、意識して行うようにする」というのはなかなか脳みそがくたびれるんですけど、脳トレと思ってぜひ。
では、なんちゃって5段の構えをご覧ください。
杖尾の目安はヘソの高さ、ヘソ前から拳1,2個分目安で開ける。
真横からの写真ですが、実際には体がやや斜めなので1,2個分に見えないかも。
杖先は中心をとらえているけれど、
杖尾の手は中心線から拳1つ程度外へ外してあります。
杖に沿って真っ直ぐ手を引けるギリギリの位置ということ。
あともう1つ、気にしておきたいことがあります。
コレ。杖尾が余ってる。
掌のお肉にはかかってるので「ちゃんといっぱいに握りこめてる!」と思いたいところですが、残念ながら余ってますね。
やっぱり「小指に杖の端っこが掛かってる」というのがいっぱいに取るということですから、もうちょっと送り込みましょう。
余ってな~い。
審査員とか審判員は横から見ているので、こういうのが案外目立つんですよ。
審査とか勝負とか関係なしに、余ってると次に手の内で杖を返す障りになりますから、やっぱりきっちり握りこめるのがベターですよね。
杖を取る時に、小指をセンサーにして角が掛かってるかどうかというのを意識してやるといいと思います。
それでは今回のまとめ。
1.常の構えで、手の内が緩んでいないか?
2.本手&逆手の構えで、杖尾の手が下がりすぎていないか?
3.同じく本手&逆手の構えで、杖尾の手が中心線に乗っていないか?
2と3については、特に動きの中で崩れがちなので、型の途中途中で1つずつ構えをチェックしながら稽古してみてください。
よく言うんですけど、箸の使い方と一緒で、矯正してる最初のうちはうまくいかなくてイライラしますけど、直に意識せずにできるようになりますからね。
ちょっとずつ気にしてみてください。
以上!解散!
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