2017年5月29日月曜日

すがたみ!

私、いっつも「力を抜いて、楽に、楽に」って思ってるし後輩の皆さんにも言ってるんですけども、前回の写真を見てね、たとえばこの写真なんですけどね。


なんかめっちゃ手にリキ入ってるみたいに見えるなって!

ちゃうねん!
本人はちゃんと力抜いてるつもりやねん!
楽にしてるつもりやねん!

ただあれや、えーと、つまり、肉がなくて筋張ってるからそういう風に見えるだけやねん!
きっとそうに違いない。
あと手の内を絞ってるからその辺が強調されてるというかね。
そう、なんかそんなかんじ、うん。

現代文明の利器を通してみる己の姿の未熟さを思うと、偉そうなことは言えないなってしみじみ思いしらされます。

2017年5月25日木曜日

杖道上達講座 その7:杖の持ち方、構え方

昨日今日と雨で稽古に出られなかったので、何となく後回しにしていた講座の第7回に手を付けてみましょう。

今回は「杖の持ち方、構え方」。
本来ならこれが一番最初でもいいんじゃないのっていうテーマです。

例によって例のごとく、「私が気にしているポイント、注意されてきたこと」が主眼なので、内容には偏りがありますよ。
あと、身近な先生や先輩のなさりようを見ていただくのが一番なのは言うまでもないことです。


さて、まずは常の構えから。
私が気を付けているのは3点。
1.杖の先が相手の目に付いているか
2.足の配り
3.握り
この3つです。

1の目付については、7歩の間合に相手を立ててチェックしてもらうのが手っ取り早いです。
「杖先の上下」「杖先が内向きか外向きか」という2つの軸があるので、型稽古の時にちょっと意識してみましょう。

2の足の配りについては、すでに第1回でやった通りです。
ハの字に開いてないかな、というだけ。

3の握りについて。
特に解説本に書いてあるわけでもないんですけど、写真で見てもらうのが早いですね。

私も昔よくやりました。ゆるっと、がばっと、すかすかです。

「ギュー」じゃなくて「キュッ」って感じで軽く締めましょう。
童の手を握るがごとし、ってやつです。

これだけ。
たったこれだけですけど、ちょっと印象が変わってきますから、ぜひ確認してみてください。

ちなみに、なんか杖が外向いてように見えるのは、単にカメラが近いせいです。


じゃ、次。
本手の構え&逆手の構えの手の位置について。

「あるある」なNG写真から見てもらいましょうね。
横から。
本手を取り忘れたので逆手の構えで代用。
後ろ手が下がりすぎですね。

正面から。
こっちは本手の構え。
杖尾の手が中心線に乗ってしまっています。

頭ではわかってるんだけれども、「杖先が相手の目につくように、胸の高さ、喉の高さ」って杖先ばかりに気を取られて、杖尾がおろそかになっちゃうんですよね。

特に崩れやすいのは「引提」の後ろ構えから合わせた時。
あるいはウチバリ(引落打)や逆バリ(逆手打)から前に攻めて出た時。
もう1つ加えるなら引落の構えから打ち込んだ時。

動いてるときは次の動きに意識が行ってしまって、つい形がおろそかになりがちなので、型の順序を覚えるのと並行して、形を整える稽古もするようにしたいですね。
「意識せずにしていることを、意識して行うようにする」というのはなかなか脳みそがくたびれるんですけど、脳トレと思ってぜひ。

では、なんちゃって5段の構えをご覧ください。
杖尾の目安はヘソの高さ、ヘソ前から拳1,2個分目安で開ける。
真横からの写真ですが、実際には体がやや斜めなので1,2個分に見えないかも。

杖先は中心をとらえているけれど、
杖尾の手は中心線から拳1つ程度外へ外してあります。
杖に沿って真っ直ぐ手を引けるギリギリの位置ということ。

さすがに7段8段の先生からすると粗があるかと思いますけれど、これくらい出来たら初2段としては上々じゃないでしょうか。

あともう1つ、気にしておきたいことがあります。
コレ。杖尾が余ってる。

掌のお肉にはかかってるので「ちゃんといっぱいに握りこめてる!」と思いたいところですが、残念ながら余ってますね。
やっぱり「小指に杖の端っこが掛かってる」というのがいっぱいに取るということですから、もうちょっと送り込みましょう。

余ってな~い。

審査員とか審判員は横から見ているので、こういうのが案外目立つんですよ。
審査とか勝負とか関係なしに、余ってると次に手の内で杖を返す障りになりますから、やっぱりきっちり握りこめるのがベターですよね。
杖を取る時に、小指をセンサーにして角が掛かってるかどうかというのを意識してやるといいと思います。


それでは今回のまとめ。
1.常の構えで、手の内が緩んでいないか?
2.本手&逆手の構えで、杖尾の手が下がりすぎていないか?
3.同じく本手&逆手の構えで、杖尾の手が中心線に乗っていないか?
2と3については、特に動きの中で崩れがちなので、型の途中途中で1つずつ構えをチェックしながら稽古してみてください。

よく言うんですけど、箸の使い方と一緒で、矯正してる最初のうちはうまくいかなくてイライラしますけど、直に意識せずにできるようになりますからね。
ちょっとずつ気にしてみてください。

以上!解散!

2017年5月23日火曜日

れっすん!

せっかく杖道の解説本の変更点をまとめても全然お小遣いが入ってこなくて、とっても悲しい。
お金欲しさにやったことでもないし、たぶんみんなこんな超零細ブログにそんなものがあるだなんて気づいてないんだろうから仕方ないね。

さて、本題。

最近、でもないけど、NHKのBSと教育でやってる「奇跡のレッスン」という番組を見てます。ときどきだけど。

内容としては「日本のスポーツや芸術に取り組む日本の子供たちに、世界の1流と呼ばれる人が1週間コーチとしてレッスンをつける」というものなんですけれど、大変ためになるんです。

何がためになるかっていうと、子供たちへのコーチングのテクニックというかスキルというか振る舞い方というか、いわゆるコーチングスキルってやつ。

これまで見たのはバスケ、フィギュアスケート、料理とかそういうのですけど、杖道の道場でも通用する部分が多々あると思うんですよ。

どのコーチも、「好奇心を引き出す」「楽しむことを重視する」「対話を重んじる」「相手を尊重する」とかそういう部分は共通しているようでして、得るところが多い番組です。


翻って杖道では、子供相手に「あれが違う」「これができてない」「何度言ったらわかるんだ」「やる気があるのか」などと浴びせて泣かせた挙句に「最近の子供は根性がない」なんて言っちゃう人がいて、とっても悲しい。

2017年5月15日月曜日

こうせい!

前回、じゃなくて前々回の新旧対照表の件ですけども、ずーっと解説本を眺めてていくつか気づいたことがありましてね。

1.
・本手の構えの説明において
右本手「目の高さにし」
左本手「目の高さにして」
・逆手の構えの説明において
右逆手「目の高さにし」
左逆手「目の高さとし」
という表記の揺れ

2.
太刀の解説図では「切先」、ほかでは「切っ先」という表記の揺れ

3.
p.39,p.74の3行目及びp.89では「すべらせて」、他では「すべらして」という表記の揺れ

4.
相対動作の打太刀の合わせ方の説明において、
・引落打「下から中段に構えて杖に合わせる。」
・巻落「下からそのまま中段に構えて杖に合わせる。」
という表記の揺れ

5.
「繰付けた」「繰り付けた」という表記の揺れ

6.
「繰放す」「繰り放す」という表記の揺れ

7.
新版p.79の4行目のみ「顔に『付けて』」、他は「顔につけて」という表記の揺れ



まあこの辺は探せばもっと出てくるだろうし、正直私からすると心底どうでもいい話なので、次の版を刷る際かなにかのついでにでも直してもいいしほったらかしでもいいしと思うんですけれど、もうちょっと突っ込んだ話がありましてね。



8.
突外打で打太刀が突く際の説明については「右足を進め」であるが
左貫で打太刀が突く際の説明は「右足を踏み込み」である。
太刀遣いが違うことはないと思われるので、表記の統一が望ましいかも?

9.
同じく突外打について、旧版では「右本手にて太刀を打ち落としつつ右足を『踏み込み』顔面を攻める」とあるが
新版では「右本手にて太刀を打ち落としつつ右足を『踏み出して』顔面を攻める」となった。
全体を通して「踏み込む」「踏み出す」それぞれ使われているけれども、この違いは何ぞや?


この2点はちょっと気になるかなーと思いました。

大変なんですよ、校正作業って。
改訂にあたられた先生方は、本当にお疲れ様でございました。

2017年5月11日木曜日

やったな…

朝、珍しく早めに目が開いて、時計を見たら6時過ぎ。
「ああ、まだ余裕があるな…」
と思って、目を閉じるでしょ。

もうオチはおわかりですよね。

次に目を開いたら、時計はすでに10時過ぎを指しておりましたとさ。

今朝の稽古に行きそびれたのはそういうわけであります。

お前はサボり癖の付いた大学生か!
と言われそうな態度でありますね。

週全体で見れば2回はどこかの稽古に出ているので、まあいいじゃない。

そりゃあね、
「私は武道の秘奥を極めるのだ!」とか
「世界最強の人間と呼ばれたい!」とか
「今武蔵、いや今権之助と言われて見せる!」とか
そういう人は2度寝なんかしてる場合じゃないし、とにもかくにも稽古鍛錬工夫実践の日々を過ごさねばならんと思いますけれど、みんながそうじゃないからね。

「健康のために全身運動をしよう」とか
「日本の伝統文化に触れてみたい」とか
「なんかぁーよくゎかんなぃけどぉーぉもしろそぅかなってー」とか
そういうくらいの感じで杖道をしてもらうことも大変いいことだと思うし、
そういう人たちに「武道とは!」みたいにあまり暑苦しいことを押し付けても却って毒になりかねないと思うし、
気楽にやっていく道があってもいいじゃないって思うんですねー。


とかなんとか偉そうなことを言っても、私がやらかしたことはただの寝坊でありまして、怠惰以外の何物でもない。ハイ。

2017年5月6日土曜日

全日本剣道連盟杖道(解説) 新旧対照表 できました

毎朝起き上がるのが億劫なほど、一体何を夜なべしていたのかというとですね。

改訂された「全日本剣道連盟杖道(解説)」の新旧対照表の作成です。


昔取った杵柄というやつでやってみた。
全日本剣道連盟杖道(解説) 新旧対照表 (pdfファイル)


なお、内容の4割くらいは「構えより~」を「構えから~」に直したような、いわゆる表記揺れなので、それをざっくり省いたものがこちら。
新旧対照表・要点のみ (pdfファイル)



内容の検証はあんまりしてませんが、たぶん95%くらいは捕捉できてると思うので実用上はほぼ問題なかろうと思います。
対照表の書式の細かいところはだいぶ適当です。
ミスは知らせていただいたら修正するかもしれません。


利用にあたっては特に制限は付けませんが、内容の正しさあるいは利用によって起きたあらゆる事柄について、私は一切の責任を負いません。

また、駄賃・小遣い・心づけの類は大歓迎です。
100円でも1000円でもお気の向くままに。
twitterとかblogとかで広めてくださっても全然かまいませんことよ。

遠方のかたはこちらからどうぞー。
Amazonほしい物リスト

送り方については、この辺りのサイトに書いてあるからよろしくね!!
ほしい物リストからの送り方


蛇足ですけど、正味の話、全剣連が別冊200円とかで新旧対照表を販売してれば済んだ話だという気もしなくもない。

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更新情報
2017.05.06 初版公開
2017.06.12 修正
 ・誤字修正
 ・繰付、繰放、体当及び霞の図の修正の追加
 ・乱合の修正の追加

2017年5月5日金曜日

はればれ!

本日は毎年恒例の阿智神社での奉納演武でした。
大変良い天気でして、春物を着て行ったら汗ばむくらい。

私は出場がないので、ゆっくり出て行ってのんびり写真を撮るつもりで行きましたら、われら杖道は一番で私が到着したときにはすでに終わっていたというね。

まあ、杖道はいつも紹介してますから、今日はほかの皆さん方の紹介をね、優先いたしましてね。
個人的な興味もあるんですけど、まあええじゃないか。

竹内流備中傳 居合。
抜きつけはやっぱりどこもおおよそ変わらない感じですね。



竹内流備中傳 小具足。
左右から組み止められたら…

いったん沈んで…

前転して…

逃れるというか極め返す、ということかな?



ニューフェイス、かの有名な柳生新陰流。
2本差しですよ、2本差し
かなり振りかぶるんですねえ。

正面を切りに来る敵に、下からの切り上げで返し…

すり抜けざまに胴切り。


正面の切り下ろしに対して…

身をかわしざまに諸手を切る。


ひき肌竹刀、というやつですね。
しなるから「撓(しない)」というんですよね。



杖道体験教室の模範演武。
子供も大人も参加してくれてよかった。



今枝新流杖術。
股立ちをとる独特のスタイル。

足を踏みかえながらの打ち込みから…

止めの長い気合も特徴的。



竹内流備中傳 居合。
下げ緒が鞘に結ばれた状態。

帯びずにそのまま抜く型。
わかりにくいけど、下げ緒が結ばれたままで鞘は帯に差していません。

鞘ごと返して…

下からの抜刀。



竹内流備中傳 奥棒。
右の打ち込みを外して…

棒先を打ち落としつつ…

入り身で目を攻める。


対 太刀。上で打ちあい…

下で打ちあい…

太刀を受け流しながら身を進めて…

太刀の腕を取って極め、かな。



竹内流備中傳 斉手(さいで)。

小太刀で受け…

太刀を捌きつつ身を進め…

小太刀を離し、柄を取り峰を押し下げ…

太刀取りから切り上げて…

締め。
無刀取と言えば柳生新陰流ですけれど、
その成立前からすでにベースとなる技法は存在していたってことですかね。


打ち合いからの…

小手を極めて…

投げ…

追撃するところを…

前回り受け身で逃れる。
なんかもう、刀持ったまま受け身って言う時点で凄いわ。



竹内流備中傳 鎖鎌!
お前のことを待ってたんだよ!!

鎌で太刀をなやしつつ…

小手を抑えて首を刈る。


太刀を鎌で抑えると同時に
分銅を小手に振りこんで巻き付けて…

首を刈る。


鎖で太刀を受け止めたら…

そのまま太刀ごと相手の背中に送り込んで…

縛って水月に一撃。

あー、もっと紹介したいけど、あとは来年また見に来るか、秋の古武道祭に行くか、
それか入門するかしてね。

もちろん杖道も入門者の増加が喫緊の課題でありますからして、これ以上は言わずもがな。

入門に際しては、まず見学に行って、道場の場所や稽古時間、指導のやり方などが自分に合っているかどうかを確かめてからがよろしいかと思われます。