そういう人たちがここを見ているかどうかは知りませんけれど、来て杖と木刀を振っただけで帰るというのも味気なかろうということで、観光情報などざっくりエリア別に紹介したいと思います。
ももたろうランド?そんなのないよ?
<岡山エリア>
・後楽園
・岡山城
・林原美術館
会場に近いエリアの定番。
雪の兼六園、月の後楽園、花の偕楽園というそうで、中央を広々ととった壮大な大名庭園。
ちょうど大会の日がほぼ満月なんですが、残念ながら夜間開放は9月しかしない模様。
早朝開園はするそうですのでよろしければ散歩がてらどうぞ。
岡山城は戦争で燃え落ちてしまったので、鉄筋コンクリのエレベータ付きですが、池田家ゆかりの展示があったと思うので後楽園のついでにどうですか。
林原美術館は岡山藩池田家伝来の収蔵物が多い美術館でこれまた岡山城・後楽園の近所にあります。
近所というと岡山県立博物館もありますけれど、どちらにも国宝の武具があり、太刀は林原、鎧は県立、お好みにあわせてどうぞ。
岡山市のグルメというとトンカツとキャベツの千切りが乗っててデミグラスソースが掛かった「ドミカツ丼」ですかねえ。別にそんなに必死になって食べたりするものでもないような。
それか「ばらずし」かなあ。ただの豪華なちらし寿司ですけど。
<倉敷エリア>
・美観地区
・鷲羽山
県内有数の観光地である美観地区。と言っても1区画ほどの狭い地域に古い町並みが残っている程度なので散策はあっという間に終わります。
見どころとしては、エル・グレコやロダンといった近代美術の名品がある大原美術館。個人的には芹澤銈介やバーナード・リーチといった民芸や棟方志功の版画も好きですね。
あと最近はお店の新陳代謝も進んでいるようで、ベンガル猫専門の猫カフェとか、フクロウにお触り出来る施設とか、そういうのもできているのでそういうのがお好きな方にもいいんじゃないですかね。
あと大会前日・当日に地区内の阿智神社で例大祭があり、「ジジババ」「素隠居」とよばれるちょっとへんてこなキャラ(?)が出てきますので、立ち寄る価値があるかも。
鷲羽山は、瀬戸大橋と、瀬戸内の空と海と島とが織りなす風景を堪能できる場所。
ただ眺めがいいだけと言えばそうなんですが、時間がある方は鷲羽山ハイランドで「世界一怖いのではないか」という乗り物スカイサイクルに挑戦してみてください。
また鷲羽山のある児島地区はジーンズの生産でも有名でジーンズストリートという通りがあったり、漁港そばでもあるのでタコをはじめとしたお魚も楽しめます。
あとはニッチな趣味になりますが、巨大建造物にあこがれる方は水島地区のコンビナートを見て回るとか、ミステリー好きなら横溝正史関連の場所が多い真備町を回るとか。
<笠岡・井原エリア>
・矢掛本陣
・カブトガニ博物館
・真鍋島
矢掛(やかげ)町にある本陣、江戸時代の宿屋ですけれど、ここは横溝正史の「本陣殺人事件」の舞台にもなったところ。琴の弦をつかって凶器をピタゴラスイッチしたお話でしたね。
笠岡市のカブトガニ博物館はその名のごとく特別天然記念物のカブトガニ専門の博物館。なかなかにコアな楽しみがありそうですので、B級観光がお好きな方はぜひ。
また笠岡市は「笠岡ラーメン」というご当地ラーメンがあり、鶏ガラ醤油のスープに焼き豚ではなく煮鶏が乗っているのが特徴。
真鍋島は本当に時間に余裕がある方だけのおすすめ。ここは「猫島」として一部で有名な島で、笠岡市からフェリーで数十分で着きます。でもそんなにあふれかえるほど猫がいるわけではないので過度な期待は禁物。
余談ですが、笠岡~岡山あたりの瀬戸内沿岸部では「穴ジャコ」というエビみたいなザリガニみたいなのが食べられていて、九州の一部地域を除いてはほとんど食べられていない珍味だそうです。地物を扱う料理屋では素揚げか唐揚げで出されていることがありますのでもし見かけたらトライしてみてくださいな。
ちなみに名前とは裏腹に生物学的にはエビに近く、シャコからは程遠い種なんだそうで。
<瀬戸内・備前エリア>
・備前長船刀剣博物館
・旧閑谷学校
・日生漁港
・備前焼祭り
武道家なら一度は行きたい(?)刀剣の里、備前長船刀剣博物館。刀剣展示のほか、刀鍛冶や装飾に関連する職人さんたちの作業風景を(運が良ければ)目の前で見学することができます。
閑谷(しずたに)学校は旧藩校で、紅葉の名所としても知られるところですが、大会日ではちょっとまだ早いでしょうか。
日生(ひなせ)は牡蠣の産地で、漁港近くの市場五味の市で「カキフライソフト」なる珍味を扱っているほか、地域グルメの「カキオコ(牡蠣入りお好み焼き)」を押し出しているところ。
個人的にはカキオコよりも水餃子のほうがおすすめ。クール便で発送もしてくれるでよ。
あと備前市と言えば備前焼、ちょうど大会前日当日の15日16日に伊部(いんべ)駅前を中心に備前焼祭りが開かれますので、花器、酒器、茶器などお求めの方はぜひどうぞ。
<総社エリア>
・作山古墳、造山古墳
・吉備津神社、吉備津彦神社
・最上稲荷
・鬼ノ城
古代吉備王朝の息吹を感じさせる史跡が多い地区。厳密には岡山市のものも多いけどまあええやろ。
作山古墳、造山古墳はどちらも「つくりやまこふん」とよみ、字のごとく造山のほうがでっかい。どれくらいって、国内最大級(最大ではない)。
吉備津神社、吉備津彦神社はこれまたよく似た名前。祭神吉備津彦命は桃太郎のモデルともいわれる人物ですね。吉備津神社は備中の国の一宮、吉備津彦神社は備前の国の一宮なんだそうで、あとのことはよく知らないので行ってみてください。なお吉備津神社には国宝の拝殿があります。
最上稲荷、「もがみ」じゃなくて「さいじょう」と読み、門前の商店街は初詣客で込み合うため12月31日に年賀状が届けられることで有名。何年かおきにニュースで流れますね。
「三大稲荷」を標榜していますが、ぶっちぎりの伏見稲荷はともかく佐賀の祐徳稲荷、愛知の豊川稲荷と残りの席を争っている模様。どうでもいいけど祐徳稲荷に行ったときに見た巫女さんがとっても美人でした。
鬼ノ城(きのじょう)は温羅(うら)という桃太郎の物語で言うところのオニの一族の城の跡だという話。渡来人系なのか縄文系なのかそこら辺の解釈は民俗学がお好きな方に任せます。
あと、ほとんど跡形も残ってないのですが、秀吉が水攻めにしたことで有名な備中高松城の跡地もありますので戦国好きな方向けに。
<高梁・新見エリア>
・備中松山城
・吹屋のベンガラの街並み
・井倉洞、満奇洞
・鯉が窪湿原
高梁は「たかはし」と読み、ちょっと難読。備中高梁駅周辺は江戸時代の趣を濃く残しており、武家屋敷なども散見され、美観地区よりそれっぽいのではないか(暴言)。
さて、そんな高梁市にある備中松山城は日本一高いところに残る山城として有名で、真田丸のオープニングに出てくるのはこのお城なんだそうで。時期と時間と天候が合えば雲海に沈む景色を眺められますが、早朝に山登りをせねばなりませんのでちょっと大変。
吹屋はベンガラという真っ赤な塗料の生産で一時栄えた地域で、街並みも真っ赤に染め上げられています。吹屋にある小学校は日本最古級の木造校舎で、ごく最近まで使用されていました。
また近所にある広兼邸は映画「八つ墓村」の舞台としても使用されたもの。岡山の山奥で「たたりじゃ~!!」って叫んでみる?
井倉洞、満奇洞は鍾乳洞ですね。暗くて狭いところがお好きな方に。
ちょっと離れますが、鯉が窪湿原は「西の尾瀬」とも呼ばれる(私は聞いたことがない)湿原で、太古の自然を今に残すとかなんとか。行ったことないのでなんとも。
あと高梁市内のいくつかのお店で「インディアントマト焼きそば」という、めっちゃマイナーな地元グルメを食することができます。たんにトマトの入った少しスパイシーな焼きそばってだけですけど。
<津山・美作エリア>
・Zガンダム
・津山城、鶴山公園
・美作三湯
岡山県北東部。
Zガンダムってなんのこっちゃ、と言われそうですが、道の駅久米の里に個人が趣味で手作りしたでっかいガンダムの模型がおいてあるんですよ。ちなみにこの道の駅ではジャンピーことジャンボピーマンのアイスクリームが売られています。
津山城及び鶴山(かくざん)公園は特に説明することもないですね、津山藩のお城とそれに付随する公園です。
あと津山市では「ホルモンうどん」という牛のモツ入りの焼きうどんがB級グルメのグランプリを取ったとかで有名になりました。
そしてこのエリアではなんといってもやっぱり温泉。美作(みまさか)三湯とは湯原(ゆばら)、湯郷(ゆのごう)、奥津(おくつ)の3つの温泉のこと。
湯原温泉は川原から湧き出る温泉「砂湯」で温泉番付西の横綱に輝いた露天風呂が有名。ダムを眺めながら川原っぺりの湯船に入るのは独特な経験になるでしょう。混浴ですけど、女性は湯着の着用が認められてるので邪な期待はしないように。ちゃんと設備の整った温泉施設もあるので安心。
湯郷は女子サッカーの湯郷ベルで最近有名になりました。半端に開発されたいかにも田舎の温泉地という感じで趣も風情もあったもんじゃないとは思いつつ、逆に設備はそこそこそろっているので落ち着いて入ることができるとも言えますかね。言えない?
奥津温泉は一番鄙びた風情があるように個人的には思います。こちらも川原から湧き出すんですけれど、それを建物の中に囲ってしまっているのが面白い。近くの道の駅のバイキングが結構おいしいのと、紅葉が美しいエリアが近いのとがポイント。
近くにはほかにも温泉がいくつかあり、個人的にインパクトがあったのは真賀温泉と般若寺温泉(要予約)かな。
<蒜山エリア>
「ひるぜん」と読み、岡山と鳥取の県境に近い、ジャージー牛の飼育が盛んな高原地域。
牛を眺めてぼんやりするもよし、紅葉を堪能するもよし、蕎麦や乳製品を楽しむもよし。
なぜか蒜山では牛肉よりもジンギスカンがたくさん食べられていて、あとはこれまたB級グルメの「蒜山やきそば」を売り出し中。
個人的にはジャージーミルクとジャージーソフトクリームがめっちゃ濃厚でクリーム分を感じられておすすめ。
大会日の時期はちょうど紅葉の時期に当たり、峠の駐車場などは相当な混雑が予想され、場合によっては一部エリアに自家用車の乗り入れ制限がかかるかもしれませんのでその点は要注意。
<番外編・お土産>
食べ物に絞って独断と偏見で紹介いたしましょう。
岡山駅や空港、会場周辺で手に入りそうなものを中心に取り上げます。
・きびだんご
いかにも「岡山に行きました!」っていう主張のほかには特に見どころのない菓子だと思うので、あえてこれ選ぶ必要はないんでない?ってお菓子。単に黍を使っただけの餡も実もないただの団子。お勧めは「きび田楽」というクルミが入っててきな粉をまぶした商品ですけど、刺さってる楊枝が鬱陶しいのと袋から出すときにきな粉がこぼれるっていう欠点がね…。
・大手まんぢゅう
ほぼこしあんの塊にうっすらと皮を着せた、こしあん派欣喜雀躍の一品。よく似た「藤戸まんぢゅう」というのも倉敷にありますが、入手性と賞味期限の点で大手まんじゅうがベター。
・むらすずめ
倉敷のお土産の定番。薄いどらやき皮を2つ折りにして粒あんをくるんだお菓子。箱に入ってる数が少ないくせに高いという致命的な欠点があり、たくさんの人に配りたいときには不向き。
・落合羊羹
県北の落合地域で作られている羊羹。糖分が表面で結晶化して、羊羹のねっとりとした食感にシャリシャリした歯ごたえが加わってとてもおいしい。「高瀬舟」という舟形に小分けされた商品が有名。たくさん入ってるのにかさばらずしかも安い、というお土産のお手本ともいうべき商品。
・ゆべし
これくらい同じ名前でいろんな形態があるお菓子も珍しい。高梁で作られているゆべしはゆず風味の餅に砂糖をまぶしたもの。渋いお茶にぴったり。これまたたくさん入ってかさばらず安いというありがたい商品ですが、ゆずの風味は好みがわかれそうなので万人受けはしないかも。
・ブドウ
ちょっとかさばるけど、自称フルーツ王国おかやまの白桃と対をなす名産品。残念ながらモモは時季外れなのでパス。
10月でも手に入りそうなのはニューピオーネ、皮や種がイヤって人には瀬戸ジャイアンツがおすすめ。
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