杖道は「型武道」です。
剣道や柔道、合気道など日頃目にすることの多い武道では、掛かり稽古、地稽古(乱取り)をよく用います。
これに対して杖道は決められた動きを2人1対になって繰り返す「型稽古」です。掛かり稽古や乱取りはしません。
このことについて、武道の経験の浅い人がこんな質問をすることがあります。
「型で決められたとおりに敵が襲ってくるとは限らないでしょ。それで本当に強くなれるの?」
この質問に対する答えは百人百様とは思いますが、ある先生の言葉をうろ覚えながら引いてみたいと思います。
「型は想定問答集ではありません。こう襲われたらこうするという対処方法を示したものではないのです。」
「型とは、心技体の使い方を修得するためのものです。ですから、
型ごとに
『この型ではこういう体の使い方を覚える』というものがあるのです。」
「型稽古で覚え無ければならないのは、ただ手順通り動くということではなく、そうした心技体の使い方なのです。」
先の質問はつまりこういうこと。
小学生が計算ドリルを目の前にして「将来こんな計算ホントにするわけないじゃん、なんでこんなのしなきゃいけないんだよ!」って言ったとき、
「この通りの計算は出てこないだろうけど、ドリルをするのは計算の仕方や考え方を覚えるためなんだから、それは考え違いだぞ。」って答えるのと同じだということ。
さらに言えば、ただ動きの順序を覚えたというだけでは、それはドリルの答えを丸暗記してただ写しただけのことに過ぎず、計算の本当の意味や考え方は全く身についていないのと同じことなわけですね。
もし「型」を今風の言い方に置き換えるとこうなるかもしれません。
「あなたにもできる達人の動き! 今すぐできる12のエクササイズ!」
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