2012年5月26日土曜日

「型」ということ

杖道は「型武道」です。

剣道や柔道、合気道など日頃目にすることの多い武道では、掛かり稽古、地稽古(乱取り)をよく用います。
これに対して杖道は決められた動きを2人1対になって繰り返す「型稽古」です。掛かり稽古や乱取りはしません。

このことについて、武道の経験の浅い人がこんな質問をすることがあります。
「型で決められたとおりに敵が襲ってくるとは限らないでしょ。それで本当に強くなれるの?」



この質問に対する答えは百人百様とは思いますが、ある先生の言葉をうろ覚えながら引いてみたいと思います。

型は想定問答集ではありません。こう襲われたらこうするという対処方法を示したものでないのです
とは心技体使い方を修得するためのものですですから、 型ごとに このではこういう体の使い方覚えるというものがあるのです
稽古覚え無ければならないのはただ手順通り動くとうことではなくそうした心技体の使い方なのです


先の質問はつまりこういうこと。
小学生が計算ドリルを目の前にして「将来こんな計算ホントにするわけないじゃん、なんでこんなのしなきゃいけないんだよ!」って言ったとき、
「この通りの計算は出てこないだろうけど、ドリルをするのは計算の仕方や考え方を覚えるためなんだから、それは考え違いだぞ。」って答えるのと同じだということ。

さらに言えば、ただ動きの順序を覚えたというだけでは、それはドリルの答えを丸暗記してただ写しただけのことに過ぎず、計算の本当の意味や考え方は全く身についていないのと同じことなわけですね。


もし「型」を今風の言い方に置き換えるとこうなるかもしれません。
「あなたにもできる達人の動き! 今すぐできる12のエクササイズ!」

2012年5月20日日曜日

写真について

先日の記事ではたくさんの写真をアップロードしました。

撮った写真を後で見返すと色々と気付かされる点があり、なかなかに面白く、また有意義なものです。
以前冨永先生が仰っておられました。「自分の稽古の姿を客観的に確認することは大変大切なことです。 鏡を使ったり、写真やビデオに撮ったりしてみてください。 」と。
駄目なところというものは日頃意識の外にあり、客観的に見てようやくあそこが良くないここが悪いと気付くもの。
たまに先生方に撮っていただいた私の稽古や演武の写真を見ると、足がよそを向いていたり上体がつんのめっていたり反り返っていたりして赤面ものですが、そこからようやく改善の一歩が始まるわけですね。

ところで、上手に写真を撮るにあたって一番大事なコツをご存じですか?

それは「大きく写す」こと。

出来るだけアップで、もう一歩近づいて。
戦争写真家ロバート・キャパ曰く、 “If your pictures aren't good enough, you aren't close enough. (いまいちな写真には、接近が足りない。)”
いつもよりもうちょっと、ズームにしてみては如何でしょう?

2012年5月5日土曜日

奉納演武・その2

それでは後半の部。

甲冑武術、初實剣理方一流(しょじつけんりかたいちりゅう)。甲冑の重さは20kgだそうですよ。ちなみに名前は「しょじつけん りかた いちりゅう」と言う感じの読み方をします。




信抜流(しんぬきりゅう)居合剣法。刀の抜き着け方、足を踏み換えての袈裟切り、納刀、どれも普段目にする居合とは趣が異なります。



オマケ。
笠!
傘じゃなくて笠!


鎧の展示。今日はこどもの日ですから。

最後に、会場にて配られた冊子から各流派の道場案内をば。興味がおありの方は是非こちらまで御連絡下さい。

奉納演武

1ヶ月半ほどお休みをしましたが、また順次記事を投稿していきます。

今日は倉敷の美観地区の近くにある阿智神社にて演武を奉納して参りましたので、写真を交えて紹介します。日頃なかなか目に触れるのことのない様々な流派が出演してらっしゃいました。

まずは居合道。無双直伝英信流。うーん、ため息の出るような色男。

続いてわれらが全剣連杖道型。

神道流剣術。2刀を使う「二刀合(にとうあい)」の型。

神道夢想流杖術。打ち掛からんとする杖と迎え撃たんとする太刀の、動の一瞬をご覧下さい。

広島県府中市から、佐分利流 (さぶりりゅう) 槍術。短めの柄と長めの切っ先が特徴的。


兵法居合道戸山流。旧軍において編まれた武道。剣術及び居合。


竹内流備中傳(たけうちりゅうびっちゅうでん)。源は竹内流。この流派では小刀を使うものを「小具足(こぐそく)」、体術を「羽手(はで)」と言うそうです。



竹内流のうち、居合の型。納刀前の血振るいに注目。


写真が多いので前半はここまで。後半は次回に。