2020年11月21日土曜日

ぼくとう

 Q.杖道に用いる木刀の規格について書きなさい(難易度:杖道2段審査相当)

全長:

刃渡り:

柄の長さ:

反りの大きさ:

素材:


このブログに来られる大抵の方は杖道の有段者らしいので、皆さんこれくらいはすらすら解けますよね?

大丈夫ですよね?


それでは解答です。

全長:101.5cm (3尺3寸5分)

刃渡り:約77cm (2尺5寸5分)

柄の長さ:約24cm (8寸)

反りの大きさ:1.5cm (5分)

素材:白樫(鍔は革)

メートル法が世界標準なんですが、武道具は古めかしい日本の伝統から来ているので尺寸のほうがしっくりきます。平成生まれくらいになるとそうでもないのだろうか。


しかし、この規格を満たす木刀というのは実はかなり入手が難しくて、一般的に販売されているのは柄が約26cm(8寸5分)のものばかり。

全長は一緒ですが柄が長い分だけ刃渡りが短く、さらに反りも5分より大きいです。

規格を満たす木刀は、一部の師範や道場が武道具店経由で製作所に特注したものがほとんどのようですね。私が持っているのもそのたぐい。

杖道をやる人みんなが手にするのはなかなかに難しい状況です。

個人的な欲を言えば、師範ごととか道場ごとじゃなくて全剣連杖道部として生産者に依頼して大量生産にかかるようにしてほしい、とは思います。

少なくとも数千本は需要があるわけですしね。

ただ、2020年現在、全剣連杖道部がどうこうは抜きにしても簡単には行かないという事情もあるようです。


ちょっと聞いたり調べたりした範囲では、

・木刀の生産はほとんどが宮崎県都城市に集中している

・なおかつ生産者は数軒の木工所に限られる

・うち1軒の大手が最近廃業した(私の木刀もここが作っていたらしい)

・そもそも上等な材料が枯渇しかかっていて継続的な材料確保の見通しが不透明

という状況のようですね。

そのあたりの事情はこの辺にもう少し詳しく書かれています

ただ、これを読むと長いこといいものを安く卸してくださっていた有難さがある一方で、ダンピングによって業界の将来を損なったとも見えて、単純に残念だなとも思えない一面があります。

このブログの最初のほうの記事に「木刀・杖は大体3000円」なんて書いた覚えがありますけど、そういう時代じゃなくなったし、木刀製造業界の継続のためにはもっと早くに適正な値段になってなきゃいけなかったのかなと思います。

私が杖道を始めた時に先生から「木刀より革鍔のほうが高いから、こっちのほうを大事にしとけよ」と言われたものですが、それも変わっていくのかもしれません。

なんにせよ、杖道と神道夢想流が今後も長く続くためにも、木刀や杖がずっと手に入るようであってほしいし、杖道規格の木刀が手に入りやすいようになってほしいと思います。

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