2013年3月17日日曜日

春の訪れ




暖かい日と寒い日とが繰り返しやってくるのでつい体調を崩しがちですが、我らが水島道場はいつに変わらぬ顔ぶれでなによりです。

寒いとは言っても、1月や2月の頃のように足下から這い上がるような底冷えはもうなりを潜めて、足袋がなくても普通に稽古ができる良い季節がやってきました。

少年老い易く学成り難し、という言葉があり、また光陰矢の如しと言い、気が付けばここに移って早6年。
その時間の分だけ進歩があったかと省みると、何とも自信がありません。5段の審査が確か再来年。それまでに十分な進歩が見られるように、もっと稽古に励まねばなりますまい。

さしあたっては、しばらく基本的な部分に身を入れてみたいと思います。

足の運び、構えの形、打った位置、太刀の切り付け・切り下ろし…。先は険しく長うございます。

2013年3月10日日曜日

杖道・杖術について:奥義のこと

ご無沙汰です。

更新が少ないのは
・時間がない
・ネタがない
・やる気がない
のどれか、またはすべてです。どうぞお察しください。

前回の更新はなんとも寒々しい写真付きでしたが、今週は打って変わって春そのもののうららかな陽気。稽古がはかどる季節になりましたが朝寝もはかどって困ります。


さて、今回は奥義の話。
現代武道たる杖道には奥義というものはありませんが、杖道の源流である神道夢想流杖術には奥義にあたる型があるそうです。

稽古をつんで熟達すると「免許」が下されますが、免許を得てから順に伝授される五つの型「五夢想の杖」がそれ。型の名前は
・闇打
・夢枕
・村雲
・稲妻
・導母
だそうです。すべての伝授が終わると「免許皆伝」ですね。

あるとき、免許皆伝でいらっしゃる冨永先生は仰いました。
「奥義というのはまぶたの裏にあるようなもの。みんな遙か遠くにあると思い込んで一生懸命あちこち探すけれど、実はすぐそこにあるのに見えていないだけ。」

すぐそこにあるものを得るために誰もが長く厳しい研鑽を積まねばならないということは、なんとも皮肉なお話です。



ところで、型の名前ってほとんどは技の様子や打突の部位を表したものですけれど、極意の名前は特にどれもが抽象的でかつ印象的。なかでも最後の導母(どうぼ)は異彩を放っています。
いつか目にすることができるといいなあ。