2018年8月31日金曜日

わじゅつ

前々回ちょろっと
「講習会で先生が早口でもごもごしてて話が全然聞き取れないよ」
って偉そうなことを書いたわけですが、
その昔、私が中学生の時に弁論大会に出場した(させられた)際、元弁論部だったという国語の先生が教えてくださった人前での話し方のポイントを簡単に記しておきます。

・ゆっくり話す
・口を大きく開けてはきはきと話す
・短い文章で話す
・聞いている人のほうをよく見て話す
・「えー」「あのー」「そのー」を使わずに話す

私もコレを意識してますけども、たったこれだけのことで「話すのうまいね」って人からほめられることがあります。
別に何も難しいことはないし、ホントに知ってるか知らないかだけのことなんですよ。
お仕事の会議やプレゼンなんかのときにも有用ですのでおすそ分けします。
細かいテクを挙げるともう少しありますけど、そこまでは不要でしょう。

人間、普通にしゃべってるとどんどんスピードが上がっちゃうので、「ゆっくり、ゆっくり」って意識するのはとっても大事。


…しかし、いま改めて考えてみたら杖とだいたい一緒やな。
・ゆっくり丁寧に技を遣う
・生き生きと技を遣う
・最短距離で技を遣う
・相手をよく見て技を遣う
・無駄な動きをしない

2018年8月28日火曜日

ろくしち

昨日は講習会の話、今日は審査会の話。


6段審査、7段審査を見学してみて思ったんですけども、

皆さんちょっと力みすぎじゃない?


もちろん一世一代の大舞台ですし、
審査員の先生方の目の前でもありますし、
昇段できるかどうかの大勝負ですし、
リキ入っちゃうのはしゃーないと言えばしゃーない。当然です。

だけど傍目にさえ
「ああ、『いいところ見せなきゃ』って力はいってるよね」
「普段以上に強く早く打とうとしちゃってるよね」
って感じが多くの方にありありと見えてですね、ちょっと苦しい感じでした。

翌日からの講習で、講師の先生はあれだけの大人数の前で技や型を遣っても特に力みも衒いも見せてない感じですよね。
そういうところも私たち途上の人たちは見習わないといけないのかなと。

たぶん受験者の皆さんも普段は道場でもっと自然に楽にやってると思うので、
審査員の皆さんもそういうところを見たいんじゃないかなあなんて思うわけです。

じゃあお前やってみろよ、って話でもあるわけですけども。

実際私も最初に出た大会で頭真っ白になって号令前に礼をしちゃうミスをして、
しかもそこから動揺を立て直せずに技もグダグダになってぼろ負けした思い出があって、
人のことは言えないよねえ。

2018年8月27日月曜日

おおさか

大阪での地区講習会、スタッフの皆さん参加者の皆さんお疲れさまでした。


…去年くらいからおぼろげに感じてましたけど、もうこのレベルの講習会ならしばらく参加しなくてもいいかなって、そんな風に思いました。

誤解のないように言っておきますけども、講師の先生方の杖や太刀のスキルに不満はないです。
会場の広さや参加人数が、講師のキャパシティを超えているように思うのです。
あるいは、広さや人数に対して講師のキャパシティが不足しているというべきか。


どの先生もそれぞれの道場では見事な指導をしていらっしゃるだろうことは想像に難くありません。
しかし、広大な会場で200人300人を相手にするとき、同じやり方ではうまくいかないわけですよ。
飲み会の幹事だって、4,5人の内輪の飲み会と、10人~20人の職場の飲み会と、100人越えのパーティと、全然違うわけでしょ。


せっかく大人数のスタッフを動員して、たくさんの参加者を全国から集めて、素晴らしい腕前の先生を用意しても、
「何言ってるか全然わからんかった」
「後ろのほうだとなにも見えんかった」
「列や隊形の指示が雑でごちゃごちゃした」
「あれこれ言われすぎて何が大事が結局よくわからんかった」
ってなったら、何のために講習会開いたのって話になりますやん。


上のほうの先生方にあんまり偉そうなこと言えた立場じゃないですけども、
早口でもごもごしゃべって何言ってるか聞き取りにくいし、受講者が十分理解してるかどうか、全体にちゃんと伝わってるかどうか、反応を全然見ずにひとりで勝手にしゃべって動いてる感じだよね
って感じた先生が何名かいらしてですね。


そりゃ先生方は杖のエキスパートであって司会やアナウンスのプロではないし、そうである必要もないでしょうけど、
時間もお金も使ってはるばる集まってこんなもんかよって感じた部分が結構あった、
少なくとも私はそういう感想を抱いた、
ということだけネットの片隅に書き散らしておきます。

2018年8月23日木曜日

まいるっ!

明日はもう審査です。
受審者の皆さんは今更じたばたしてももう何にもなりませんので、心静かに本番を待ちましょう。
私が毎週見ているNHK教育「奇跡のレッスン」バドミントン編に登場したミスボン・シデク氏の言葉を借ります。

「買い物に行くときに1,000円しか財布になかったら、お金が足りるか心配で仕方ない。
だけど10,000円あればどうだろう。
本番に臨む前にたくさん練習をしておくことが、本番での不安を取り除いてくれるんだ。」


また、台風が心配されましたけども、夜明けごろには日本海に抜けるようで、遠くから飛行機で来られる方は別として、取り合えず一安心というところ。
私も朝早め(無職浪人視点)の新幹線で審査を見に行きたいと思います。


さて、審査の話はこの辺にしましょう。

ここしばらく、居合用の模擬刀で中段の後杖で出てくる太刀の抜き打ちを練習しておりました。

最初のうちはもうさっぱりで、どうやってもまともに抜ける気がしなかったものですけど、
下手は下手なりに2,3か月ぼちぼちと取り組んでいたらようやくそれらしい感じにはできてきたかなと思います。

居合はやってないからなかなかとっかかりが掴めませんでしたけど、やっぱり地道な練習が大事なんですねえ。


やってるうちに気付いたことが1つ。

後杖では切りかかる前に「参る!」と声をかけることになっております。
不意打ちは卑怯だから、というのがその理由で、安全のための稽古上の方便ということもあろうかと思います。
しかしながら究極的には後ろから無声で切りかかられても仕杖はこれを捌いて対応せねばならんわけですが、「無理だよ、そんなの…」とずっと思ってました。

しかし、実際に刀でやると抜く瞬間に鞘や刀や衣擦れやなんらかの音が立つので、それを手掛かりにかわすことはできるんじゃないかなと、ふと思ったわけです。

ホントにうまい人なら音もたてずに抜いて斬ることができるんだろうとも思うんですけども。
案外木刀のほうが静かに抜けちゃう気がするんですよね。

2018年8月20日月曜日

きんせん

地獄の沙汰も金次第、なんて言いましてなんでも金づくの世の中です。
私もほっぺたを引っぱたくくらいの札束があったらなあと思う今日この頃。


さて、居合道の金銭授受の件が全国ニュースで取りざたされまして
「剣道や杖道はどうなんだ」
的なお話もちらほらある様子。

そのへんのことは全然知らないしわざわざ調べる気にもなりませんけども、いくつかのエピソードは思い出されます。

10年くらい前の地方の講習会での懇親会で、講師として呼ばれた杖道範士8段の先生が酒の勢いもあってか「居合は金に汚すぎる!」と発言されてたとか。

3,4年前の地区講習会で、これまた杖道範士8段の講師の先生から
「私が杖道委員になってから『いつもお世話になってます』ってお中元が届いたんですけど、お世話してないですよ!!そういうのは辞めてくださいね」
みたいな談話が参加者の前でされたりとか。


そもそも杖道範士8段って世間的にそんなステータス高いか、お金使ってまで手に入れる価値がある肩書かっていう根本的な問題があるのかもしれないけども。

2018年8月9日木曜日

けいぞく!

そろそろ杖道の6段7段審査会が近づいてきて、段々と緊張とか焦りとかが募ってきてる人もいらっしゃるんじゃないでしょうか。

6段審査、7段審査について、とある7段の先生がこんなことをおっしゃってました。

「5段と6段でそんなに差はない。6段と7段でもそんなに差はない。
じゃあなんであんなにボロボロ落ちるかっていうと、5段6段に受かったところでゴールしたと思ってみんな気が抜けちゃうから。
受かってしばらく手抜きの稽古になって次の審査が見えてきたころになって慌てて稽古しなおしたって遅い。
逆に言えば、合格からずっと気を抜かずにちゃんと稽古できてれば受かるんだよ。
もちろん調子悪い時や忙しい時も当然あるけど、それでも地道に稽古を続けられるかどうかが分かれ目になるわけ。」

なるほど。
というわけで、今更焦っても遅いみたいですよ、皆さん。


さて、残酷な突っ込みはご容赦いただくとして、5段6段になるとなかなか稽古しにくくなるという面もありますよね。

4段くらいまでは先生についてあれこれ指導してもらえるから、極端な話、道場に来さえすればほっといても上達します。
ところが5段くらいから段々と教わる立場から教える立場への移行が始まって、
審判の作法も覚えないといけないし、
6段ともなるといろいろと役を任されるようになり、
教える立場に付く以上教え方の技術も考えていかないといけないし、
自分のための稽古の時間がどんどんなくなっちゃう。

そうすると、ただ稽古といってもその在り方はだいぶ変わってくるわけで、ただ教わるのから、教わらなくても上達するために何をしたらいいか、限られた時間の中で何をしたら上達につながるか、後輩と稽古しながらいかに自分の稽古につなげるか、っていうようなことを考えるようにしないといけなくなるのかなと。

いまのところ私にもまだよくわかってないんですけども。


ただ、最近ちょっと思うんですけど、6段7段受けようかっていう人が杖の高さがどうのこうのとかそういう枝葉末節というか小手先のレベルの話をしてるようじゃいかんのじゃないかと。
そういうことができてて当然という意味ではなくて、杖や太刀が思ったように遣えていないようならばなぜできなかったのか、そういう一つ深いところで話ができるようなレベルであってほしいというか。
ただ、それを言い始めると結局のところ「気合をしっかり」「姿勢をよくして」「相手をよく見て」みたいなすげー基本的なことしか言いようがなくなってくる気もします。
まあ、実際にこないだ黒郷先生が言ってらしたものそれだけでしたしね…。

2018年8月6日月曜日

なつかし!

たぶん知ってる人は知ってるんだろうなあと思いつつ、
懐かしい先生方の顔ぶれが並ぶ古い動画を見つけたので貼ってみる。


・Les arts martiaux du Japon (日本の武術)

どうやら1970年ごろにフランスのテレビ局が撮影した番組らしいです。
英語ならまだしもフランス語は全く分からないのでナレーションはちんぷんかんぷんですけども。

妙に神道夢想流関係の出番が多いなと思ったら、最後のテロップをみると取材協力がドン・ドレーガー氏のようで、なるほどといった感じ。
我々杖道関係でなじみがあるところでは清水先生、黒田先生、神之田先生、塩川先生などのお名前が確認できます。
しかし、テロップ上の分類は"ARTS DU SABRE(剣術)"なのはなんでや。
いや、確かに清水先生なんかは神道流剣術で登場されてるんですけども。

2018年8月2日木曜日

けんどう!

暑い日が続くせいなのか、蝉がやかましいせいなのか、
ここのところいまいちよく眠れない日が続いてどうにも調子がでません。
てなわけで今日のサボリの言い訳は終わり。


しばらく前に、剣道7段の先生とだべってたら剣道型についてこんなことをおっしゃってました。

「全剣連剣道型は、剣道ができた当時の諸派の一流の先生方が膝突き合わせて作り上げたものだから、その本当の理合いとか意味っていうのは範士8段クラスになってようやくおぼろげにわかるものだという気がする。」

7段の先生をして「僕なんかじゃ全然わからん」というこの言葉。
重いなあと思います(親父ギャグじゃなくて)。

10数年くらい前から古武道古武術ブームみたいなのがちらほらあって、
その中で「剣道はすでにスポーツ化して古の理を失った」「剣道はしょせん現代武道で本来の武術的要素はない」みたいな語られ方をすることがあります。

しかし、この先生の言葉を踏まえて改めて考えてみると、
「そういうことを言うのは単に剣道の奥深いところに秘められたものが見えていない、それを咀嚼して吟味する能力が足りてない、つまりただ未熟なだけじゃあるまいか」
という気もしてきます。

私自身「剣道型は別に興味ないしなあ」てな感じで何度か教わっても全然実が入らないし身につかないんですけども、それもやっぱり私が未熟で剣道型の面白さをかみしめるだけのアゴがまだ備わってないせいなのかもしれません。

もうちょっと精進して、興味を持てるようになったら、もう少し真剣にやってみてもいいかもね(偉そう)。