2016年2月27日土曜日

たのしみ!

先日読んだ「CAPTAINアリス」というマンガに出てきた一言が印象的だったので紹介します。

"Just enjoy!"


日本語では「楽しめ!」といったところ。


論語にも出てきますね。

「之を知る者は之を好む者に如かず、之を好む者は之を楽しむ者に如かず。」

やっぱりやってて楽しいのが一番。
思いっきり杖を振って、力いっぱいに太刀を振るって、どんどん新しい型を覚えて、どんどん上達していきましょう。

私自身の楽しみもそうですけれど、子供たちや後から入った皆さんが楽しんで続けられるように努力したいと思います。

2016年2月21日日曜日

おていれ!

昨日は雨で外に出ることもなかったので、思い立って杖と木刀の手入れをすることにしました。
手入れと言っても、お湯で濡らして固く絞ったタオルで磨くだけですけど。

サンドペーパーで磨くっていう人も多いんですが、私はどうしてもそれをする気になれなくて。
なんか身がやせ細りそうだから。
サンドペーパーかけたほうがよく滑るようになるっていうし、実際その通りだとは思いますが、しみこんだ手垢や脂も自分の稽古の歴史だと思って大事にしておきたい派です。

とはいえ、拭き掃除くらいは日ごろのお手入れとして欠かさないようにいたしましょう。


得物を並べたところ。

なんか新しく加わってるものがありますね。
模擬刀。

居合をするつもりは今のところないので、主な用途は素振りです。
やっぱりこの重さを振り慣れるってことが大事かなと思って。
あとは帯刀の型を練習するのにいいかなと。

しかし、こんなに持ち歩いてたらそのうちお巡りさんに職質されて凶器準備集合罪でしょっぴかれそうな気も。


上から木刀、小太刀、短杖、杖の順。
使用頻度の高い木刀と杖は、使い込んで色が沈んでいるのがよくわかりますね。
木刀は握ってる部分だけが特に変色してます。
杖は手を滑らせて遣うので全体的に色が沈んでいます。
とはいえやはり杖先、杖尾は特に濃い。


木刀の峰のアップ。
引き落とし打ちを食らう部分がささくれてるのがわかります?
使用歴ももう10年以上になりますから、段々とね。
タオルで磨くときにはささくれが引っ掛からないように気を付けます。


磨き終わったタオル。
こんなに汚れが付いていました。
これも稽古の証だと思うと、感慨もひとしお。

濡れタオルで汚れをこすり落としたら乾いたタオルで乾拭きして、あとは横に転がしてしっかり乾燥させておしまい。

2016年2月20日土曜日

おしえる

今日は雨降り。
バイクで移動するわが身にあっては、雨の日は必然的に稽古はお休み。

まあね、たまにはそんな日もいいものですよ。
ひたすら布団の中でまどろみをむさぼってみたりとかね。


閑話休題。


最近、といわずずっとこれまでも思ってたことですけれど、これからの岡山県の杖道の(そんでもって私の)1番の課題は「教え方の向上」ということじゃないかな、と。

単に「教える人が上手に杖を遣えるように」ということじゃなくって、「上手に教えることができるように」っていうこと。

きつい言葉を使うのが厳しい稽古じゃないと思うし、
目についたことをなんでも指摘するのがいい指導じゃないと思うし、
基本をすっ飛ばして型稽古ばっかりするのは進歩じゃないと思うし、
ただその日その日に思いついたようにあれやろうこれやろうっていうのは無計画だと思うし、
まああれやこれや。


3段くらいまではね、教えてもらうばっかりだからそういうことを考えなくてもよかったんですけれど、4段5段くらいからはそうもいかず。

連綿とした歴史のある地域ならある程度は指導の仕方や心得っていうものも含めて教わりながら昇段していくものだろうと思うんですが、岡山県の杖道はそういう点でこれからの積み重ねが必要なのかなと愚考する次第。

「あの道場は教え方が全然ダメ」って思われたら長続きしないし先細る一方だしね。


教え方を学ぶって、どうしたらいいんでしょうね。
偉そうに先輩風びゅーびゅー吹かせてるように見えても、これでも悩んだり考え込んだりしてるんですよ、ええ。

2016年2月13日土曜日

ただいま!

丸1週間の旅から昨日帰ってまいりました。
いやー、寒かったり暑かったり色々大変でしたけど、とても刺激的で楽しい旅ができました。


ちなみに一番の目的は飛鳥坐神社(あすかにいますじんじゃ)の御田祭り(おんたまつり)だったんですけれど、祭事の前に奉納演武がありまして、


「夢想神伝流居合の奉納演武です」

あれあれ?


なんだか 
(全日本杖道大会 初段の部優勝・2段の部入賞)


どこかで
(全日本杖道大会 3段の部優勝)


見たこと
(兵庫県杖道大会 4段の部準優勝)


あるような
(全日本杖道大会 3段の部優勝・4段の部入賞)


人たちですね?
(杖道教士 7段・居合道 練士6段)


演武をなさるとは全く知らずに赴いて、お互いびっくりしちゃいました。



ちなみに御田祭りっていうのは要するに豊作を祈願する神事で、こんなお祭り。

お供えをして、お祈りをして、

翁と天狗と牛がコミカルに田植えの様子を演じて、

神楽「浦安」を舞って、


そして天狗とお多福と翁が出てきて、これである。

なんか恥ずかしがったり、

翁が力いっぱい後押し(物理)してみたり、

挙句ふきふきして、

「拭くの紙」だと言ってみんなにまき散らすのである。

調子が出てきたお多福もフルスイング!

そして神職のこの笑顔である。

神社に祀られているのはやっぱりこんな陰陽の石の数々。


念のため言っておきますが、神事そのものは大変厳かでかつ古めかしい様式を今に伝えるものでありまして、大変露骨なパフォーマンスについても小1時間の神事の内の最後の10分ほどのものです。

また、この時期大神神社や大和神社においても「御田植神事」「御田祭り」として、コミカルな田植えの演技を交えた(但し露骨なものは抜き)神事が行われているようで、地方の伝統的な行事なわけですね。

また飛鳥坐神社自体も大変縁起の古い立派な神社でありますからして(7世紀後半にはすでに存在した記録があるそうな)、お祭り抜きでも明日香村に行った際にはぜひ訪れたい場所の1つと言えましょう。

ネットやテレビでこのお祭りだけがやたらに有名になって、お祭りの時の境内は大変混みあいますので、それ以外の時期がおすすめ。
お祭りはYoutubeでも見られるからね、いまどきは。

2016年2月5日金曜日

おやすみ

1週間ほど旅に出ますのでしばらく稽古も更新もお休みです。

なんかまた明日から寒気が降りてくるそうで、寒さ対策はしっかりしていきたいと思います。


p.s 前々回の更新から一時的にアクセス数がちょっと伸びまして、「やっぱりみんなも好きだよねえ」と思いました。

2016年2月2日火曜日

おきらく?

昨日は大変砕けた話題でしたので、今日はもうちょっと真面目なお話を。
段位と立ち居振る舞いについて少し。


「5段じゃないアピールが凄い」ともっぱらの噂の管理人ですが、それはどうしても仕方のない部分があるのだと思われたい。
それというのも「若造だから」っていう部分。

なんといっても道場にいらっしゃるのは自分と親子ほど、場合によっては孫ほども歳の違う人ばかりであって、社会で一通りの経験をつんでいらっしゃるわけで、そこへなかなか自分からあれこれ言いに行けないですよ、そりゃやっぱりね。


10年杖をやってるとはいっても道場じゃやっぱり後発組だし、会の運営に噛んでるわけでもなし、神戸からやってきたっていう外様的な意識もあるし、そりゃ思うところが何もないではないですけど、正直に言えばあきらめてる部分もありますよね。
「今更言ってももう変わらないだろ」って。

5段とは言ってもなりたてほやほや、腕前のほうも福岡や東京といった杖の盛んなところだったら果たして審査に通ってただろうかなあと思うことしばしば。

それでも5段ですって胸を張って言えるようにならなければいけないとはいえ、段位が上がるとやっぱり教えられるよりも教える側に回らなければならない場面も増えるし、何より教えてくださる方もだんだん減るし、難しいものがありますよね。
その教える方法だってどうするのがいいのかよくわからず試行錯誤してばっかりの段階だし。


能天気なニートに思われるかもしれませんが、裏では色々と思うところもあるんです、というお話。

2016年2月1日月曜日

かんこう!

今日はちょっと至極くだけた話題でお送りします。
ちょっとアダルトな感じなのでそこのところをよろしく。


本年は岡山で全国杖道大会が開かれる、ということで今日はちょっとマイナーだけど大変インパクトの強い観光スポットを紹介してみたいと思います。


まずは初めに、倉敷市の青江神社から。
桜の名所である酒津公園のほど近くに鎮座ましますこの社、刀好きなら聞いたことがあるかと思いますが、吉備の国で備前長船に並ぶ刀工集団といえば備中青江、その青江鍛冶が氏神様として崇めていたという神社です。



本殿には素戔嗚命、五十猛命、金山彦神、金山姫神が祀られています。
「津の神、岬の神」と書かれている五十猛命がここに祀られているのは、酒「津」、青「江」の地名からもわかるように、このあたりは元々高梁川の河口にあたり海のすぐそばだったからですね。
また五十猛命は林業の神として祀られることもあるそうで、その場合製鉄において大量に必要となる燃料=木炭の確保を願っていたかもしれません。

さて、肝心の製鉄・冶金の神である金山彦神、金山姫神が特に独立して祀られているのがこちら、同じ境内にある金山神社。
境内には他の摂社、末社もありますが、こちらだけは別格に拝殿付きでとても立派。


そしてその拝殿に奉納されているのがこちら!!
えっ!?

大変立派な陽物。

なんで製鉄の神様が性的な神様として祀られてるか(韻を踏んでみました)、ということですが、聞きかじりによると
1. 「熱くて硬い」からの連想
2. ふいごの押し引きの様子から男女の交わりを連想
によってということなんだそうです。
全国的にも金山彦神・金山姫神は同じように冶金の神であると同時に性神として崇められているんですって。

この青江神社のすぐ近くにはシャレオツスポットとして有名なカフェ三宅商店がありますので、デートのお供にこちらもいかがですか。
盛り上がるか平手を食らうか、それは私の知るところではありませんけれど。




さて、青江神社から1時間ほど車を走らせて、国道429号を北へ吉備中央町に向かい、県道72号を西に少し行ったところにあるのが次のスポット、「鬼突石」です。

それがこちら。ジャン!
なんの岩なのかって?

説明文をお読みください。
綺麗な女の子が鬼に追いかけられてました。
逃げ疲れた女の子は一か八か、かぶっていた衣を石に被せ身を隠しました。
鬼は石を女の子と思って腰を一突き!
なんということでしょう、鬼の逸物は石にこんな穴を穿ってしまったのでした!
というお話。

あな恐ろしや、鬼のチカラ。
穴だけに。

お粗末。

なおこの近くには鳴滝という名勝もありますので、よろしければそちらもどうぞ。





本日最後のスポットはオオトリにふさわしい金勢大明神です。
場所は岡山県赤磐市。岡山市北区建部町とのほぼ境目に位置する神社です。
山奥のほぼ消滅しかかったドが付く田舎のそのまた奥。
どんな神様か、百聞は一見に如かず、こちらです。


 まずは参道脇の陽石。ごりっぱです…。

でもって看板。由緒深いんですよ、バカにしちゃだめ!!

境内入り口の仁王様ならぬ、狛犬ならぬ…形容するべき言葉が見当たりません。はい。

手水鉢と導水路。やっぱりこの形なのね。

境内の灯篭代わりの陽石、と植栽。刈り込み方も徹底してます…。

垂木っていうんでしたっけ、こちらもやっぱりそうなの?それともただの擬宝珠型?

そして境内で一番立派な陽石。下の付属物までバッチリ。
どこもかしこも手入れが行き届いていて、地元の皆さんに熱く信仰されていることがひしひしと伝わってくるようでした。

例大祭は毎年4月29日!
気になった方は杖道大会に関係なくぜひ!


なお、謂れについても看板が立てられておりました。
来歴はよくわからないとなっていますが、一部の好事家によるとどうやら明治初めごろに倉敷の金山神社(最初に紹介したところ)から勧請したのではあるまいか、という説があるそうです。
まあそんなことする前から若人たちが致していたわけですけど。

オブラートに包んであるけれど、要するに「田植えが済んだらお楽しみ」「稲刈り済んだらお楽しみ」って感じだったんでしょうね、きっと。
まあ明治初期までは日本中大体そんな感じだったという話ですけども。

 一応までに知ったかぶって話を並べておきますと、いかに乱婚/乱交形式といえどもやはりそこは狭いコミュニティですからしてルールはしっかりあったそうですよ。

ここで具体的にどうだったかは知りませんけれど、全国的には「好きなように誰とでもとっかえひっかえ」なんてことはあまり無くて、「パートナーが決まったらその夜はその組で」というのが大概で、
あとは「3人相手をしたらおしまい」なんてのもあったそうです。
後者の場合、美男美女はあっという間におしまいですが、そうでない人はなかなか順番が回ってこなくって歯がゆい思いをしたとかしなかったとか。


以上、セクハラと訴えられても文句言えない日本の古い神様と習俗にまつわる裏観光ツアーでした。

なにせ少子化著しい日本ですから、あまり避けてばかりいないで時にはあけっぴろげにこういう神様を拝んでみるのもいいかな、と思ってこんな記事にしてみました。
おちゃらけてはいるけれどふざけたつもりはないんでございますですよ、ええ。