2017年2月3日金曜日

杖道上達講座 その5:太刀の持ち方

前回に引き続き、ちょっと稽古で話題に出たネタで一席。


ホントのこと言うと、居合やってるわけでもない私がこのネタ語ってええものやらどうなのやらと思うんですけれど、
曲がりなりにも5段をもらったからにはせめて初2段くらいの人たちにそれなりの説明が出来ねばなるまいと思い、筆を執った次第。

細かいことは解説書にも書いてあるので、まずは見てもらうのが早いでしょう。

柄に対して、腕の線が斜めになるように握る。
ゴルフをやったことのある人は、ゴルフクラブの握りをして前後に離した感じだと言えば伝わるでしょうか。

ダメなやつがこちら。


ちなみにちゃんと握ったところを上から見るとこう。
橈骨がかぶるように、っていうか、しっかり絞ってね、って感じですかね。


んでもって中段に構えたときがこんな感じ。


一応、「左手で握れ、右手は添えるだけ」「左手で切れ!」みたいに言うんですけど、なんていうか、そればっかり意識しちゃうとギューッって握りしめちゃって却って逆効果に思えるときがあるんですよね。
確かに力の配分で言うと左が7、右が3くらいな感じには違いないんですけれど。

個人的な感覚だと、「握る」っていうよりは「支える」とか「手の内に収める」ってくらいの感じというか、「これ以上緩くしたらおちちゃう!」ってくらいにゆるーくしておくような意識なんですよ。
握りしめちゃうと腕も方も力んじゃって動きが硬くなるから。

かといって、掌が見えるようなガバガバな握りもダメ。
構えを解いたとき、八双に構えたときに、右手の掌が開いて見えてる人がぼちぼち見られますけど、以前大阪の森本先生が「あれは良くないよ」っておっしゃってました。
私もそう思うようになりました。緩くしてるんじゃなくて緩んでるだけですよ、あれ。握りが解けちゃってる。


取り留めなく色々書いてきましたけど、順序を追ってまとめてみますと、
1.まずは中段・正眼できちんとした形に握れるように意識する。先輩や先生に診てもらうとよろしいでしょう。
2.形が出来たら力の配分を意識する。腕や肩からもなるたけ力を抜きましょうね。
3.八双や構えを解いた姿勢、その他いろいろな形での握りを意識する。特に右手がガバガバになってないかを見る。

こんな感じですかね。一気にあれもこれも追っかけるんじゃなくて、一つ一つクリアしていけばいいと思います。


それともう一つ、自分の体格に合った木刀を使ってくださいね。
子供や女性、背の低い人が柄の太い木刀を持つと、きれいに握れないことがあるみたいです。
逆に手の大きい人があまり細い柄の木刀や太刀を持つと握りにくいはず。

購入の際に吟味するか、太いなと感じたらかんなややすりでちょっと細くしてもいいんじゃないでしょうか。


p.s.
なんで前回も今回もこんな写真があるのかって?
実は似たようなネタでコミケにフリーペーパー出しましてね。
その使いまわしです。はっはっは。

<2018.3.21加筆>
ここに書かれていることはあくまで全剣連式及び神道夢想流の所作についてであって、かつ「私はこういう風に習った」ということであり、流派によって細部は異なります。
また師範によっても考え方や表現が異なります。

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