2016年7月31日日曜日

こばなし!

先日鎖鎌の稽古を久しぶりにしたので、神道夢想流杖術の併伝武術たる一心流鎖鎌術にまつわる小話を紹介してみましょう。


一心流鎖鎌術は神道夢想流よりもさらに古い1400年ごろ成立と言われる古武術ですけれど、その5代目の宗家はかの有名な由井正雪だと伝えられています。

さて、その由井正雪と鎖鎌にまつわるお話しです。

東北のある農村で、草刈りをしていた娘が誤って通りすがりの侍に刈った草を放ってしまい無礼討ちにされそうになったところ、それをかばった父親が斬殺されてしまいます。
それを聞いた妻も元々病弱であったところに非常な衝撃を受け、そのまま帰らぬ人となりました。
遺された2人の姉妹はこの侍に仇討ちを挑むべく武芸修行を志して江戸に上り、ある道場の門をたたきます。
それがほかならぬ由井正雪の道場だったのです。

話を聞いた由井正雪は2人を憐れみ、姉には宮城野の名と手裏剣術および鎖鎌術を授けます。
妹には信夫の名と薙刀術を授けることにしました。

5年の修行ののち、2人は仇討ちを願い出て尋常に果たし合いに臨み、ついに仇討ちを成し遂げたのでした。
その後2人は「如何に仇とはいえ人を殺めた罪は消えない」と言い、髪を落として仏門に入り生涯供養を続けたということです。



とまあ、これが浄瑠璃で唄われる「宮城野信夫の仇討」のあらすじです。
私自身は見たことないんですけどね。


実際にはこの話のもととなった史実はあるけれども時代は由井正雪よりも70年ほどもあとだったり、そもそも事実かどうかも怪しいところがあったりするようですが、ちょっと豆知識として面白いかなと思って紹介してみました。

細かい話はこちらが詳しいようです。
http://dic.nicovideo.jp/a/宮城野・信夫の仇討

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