2020年9月27日日曜日

おとろえ

 最近、先生方が「家族の世話で…」「健康上の理由で…」と稽古から離れることが続いたり、コロナがあれこれとか夏の暑さがきつくてとかでしばらく稽古から遠ざかっていた方に久しぶりにお目にかかったらどことなく衰えが見えたり、そんなことがぽつぽつと続いています。

何かを長く続けるということは、老いや衰えを見届けることであり、また見届けられることでもある、そんなことをふと思いました。

私もあと10年もしたら「あの人も30代のころはイケイケだったんだよ」なんて言われる日が来る、そういう覚悟をしておかないといけないこの身が呪わしい。

今から分かり切っているのがむしろありがたいのかもしれないけれど。


あ、今月また1つ歳を重ねたのでした。

プレゼントお待ちしてます。

2020年9月18日金曜日

さいしょ

先生はおっしゃいました。

 「1本目の型は、なんで1本目に置かれているか分かるか?」

「それはな、1本目が一番たくさん稽古するからや。つまり、奥義であり極意や。一番稽古せなアカンから、1本目に置かれてるんや」

なるほど。

2020年9月17日木曜日

しんでん

 先日、「アップルウォッチの心電計アプリが医療機器として承認された」というニュースがありました。

この手のヘルスケア機能を備えた時計型ツールはいくつかのメーカが出しているそうで、睡眠の質を測ったり色々なことができるものもあるようです。

心臓が悪い私としては「へー」と思うニュースではあるんですけれど、「不整脈を検知して警報が鳴ったところで、私の場合はそのまま昇天するだけでは」という気がしますね。


気軽に心電図を測れるなら、杖道をやってるときの脈拍の変化なんかを測ったら案外面白いデータが取れるかもしれないな、と思ったものの、小手を打ったり掬ったりする型がある以上、腕時計型のツールではちょっと無理だなと言う結論に達しました。

仕杖のほうだけならセーフかな?


アップルウォッチを持ってる人はぜひやってみてレポートを書いてください。

よろしくお願いします。

2020年9月13日日曜日

ふっこく

書こう書こうと思ってつい先延ばしにしていましたが、今月の剣道時代で岡山県の石原忠美(いしはらただよし)先生の復刻記事が掲載されていました。


石原先生は剣道家であって杖道とは直接の関係がないんですけれど、私が本拠にしてる武道館にも石原先生の書が額に入れて飾られていたり、もともと剣道をされていた岡山の杖道の先生方から色んなお話を伝え聞いたりしていますね。

記事を読んでみると「小手先の小技にとらわれずひたすら基本の面を稽古せよ」と言うようなことが書かれていまして、杖道の稽古にも通じるところがあるのかなと思ったり思わなかったり。

しかしなんというか、この写真だけ見るとたいそう優しそうな印象ですけれど、ひとたび竹刀を持ったらおっかないんだろうなあ…。

2020年9月6日日曜日

せきにん

 以前は「杖と太刀だけ振っていたい、あれやこれやの煩わしいことからはなるべく遠ざかっていたい」と思っていましたけれども、

「段位が上がればそれにつれて責任も役目も増えていくものだ」

「イベントの段取りとかよそ様との付き合いとか、そういうこともしっかりやっていかないとダメなのだ」

ということを、最近になってようやく段々に飲み込めてきました。


先日の審査会での号令なんかもそうですけども、地方の講習会への参加して懇親会で顔をつないで、なんてのもそういう役割に含まれてるし、6段審査を受けようかという段階にもなると避けて通れないんだなあ、やっていかなきゃいけないんだなあ、という心持ちですね。

仕事でも出世しようと思えば面倒な仕事も引き受けなきゃいけないし、たまには残業もしたり取引先に頭を下げたりも必要だし、偉くなれば部下や組織全体への責任が生まれるし、単に手元の書類をさばいてればいいと言うわけにもいかないし、それと同じことと思えば同じことなのかもしれません。


又聞きですけど

「7段8段をもらっても、地元でふんぞり返ってばっかりで杖道のために働くことをしない人がいる。そんな人が高い段位を持っていてもなんの意味もないし、そんな人に高い段位を出すのはおかしい」

と言うような意見が一部の人に向けて出たことがあるんだそうで、それもむべなるかなという気もします。

前にもちょっと書いたように思いますが、ある先生が

「8段とか範士とかいうのは、全剣連杖道を広めるために講師として全国を飛び回ったりそれぞれの地方で普及に努めたり、『全剣連のために一生懸命働いてもらいます』という責任込みで出されるものなんだから、単に年数が来て受験資格を満たしたからと言って受けるような人においそれと出されるようなものじゃない」

なんて意味のことをおっしゃってましたけれど、同じことかなと思います。


そう思って改めて身近な先生方のことを考えると、ずいぶん長いこと色んなお働きをされてきたんだなあと思うし、頭が下がる思いです。