2019年6月29日土曜日

ふやそう

天候不順とリンクするように体調も不順なので稽古も休みがちです。
その分は筆を走らせて埋め合わせをしてみましょう。

先年からずっと「杖道人口を増やしましょう」と言われ続けておりますが、実現できているところはなかなか多くないのではないでしょうか。
岡山でもちょいちょい新しい人は入ってきているものの、姿を消していく人の数とギリギリ釣り合ってるくらいの感じで、先行きは決して明るくありません。

仕事をリタイアしてから浮いた時間で杖を始める、という方も多いわけですが、欲を言えばやはり若い方にどんどん入ってきてほしい、というのが本音です。

ベテランの皆さんがいけない、と言ってるわけじゃありませんよ。
60才だろうと70才だろうと杖を始めたいと思ったときがまさに杖の始めどきですからね。

ただ、やはりお歳の方は肩やひざに故障があることも多く、何年続けられるかというのは寿命というタイムリミットを考慮に入れると、どうしても将来性では若い人に一歩譲らざるを得ない面は否めません。

さて、どうやったら若い人を杖道に勧誘できるか、ということですが、そもそも若い人たちは忙しいしお金もないし、杖に限らず趣味の道に引っ張り込むのは割と難易度が高いんですよね。
独身なら婚活やらなんやらあるし、結婚してればパートナーや子供の相手もしなきゃいけないし、30才過ぎてくれば仕事のほうでも脂がのってきて忙しくなってくるし、とても杖に割く時間とお金が無かったりします。

もうずっと10年も20年も給料が上がらず残業もたくさんという時代が続いている中で
「杖道やろうぜ」
っていうのはハードルが高いですよね。

で、ですよ。
先日の中央講習会で
「5段なら何人、6段なら何人、7段で何人、8段で何人の弟子を持つようにしてほしい」
みたいな伝達事項がありましたけれど、5段以上と言えば結構いいお歳で仕事でも大体~長とかなんとかいう肩書がついてる方も多いと思うんです。
「もう仕事してない」って人もたくさんいらっしゃるでしょうけども。

杖道人口を増やそうと思うなら、まずは自分の周りの労働環境の見直しをして、
「部下に十分な給料を出す」「きっちり定時で上がらせる」
みたいなところも考えないといけないんじゃないかなと思うんですよ。
あるいは
「取引先に無茶な値下げを要求しない」「過剰なサービスを求めない」
みたいなこともあるかもしれませんね。
直接「杖道やろうぜ」って声をかける以前に、杖道を始めやすくなるような生活を作ってあげることが大事じゃないか、って言う視点ですね。
肩書を持ってればなおのことそういうところに取り組むべきじゃないかと。

そりゃモノの値段は安いほうがいいし、夜遅くまでコンビニが開いてるほうが便利ですけど、そういうちょっとした押し付けが巡り巡って杖道の人口減少につながってるんじゃないのかなと思うんですね。杖道に限った話じゃありませんけども。

生活に余裕がでて初めて「なにかやろうかな」ってなるわけですから、社会に余裕ができるような普段の生活の振る舞い方から考えていかなきゃいけないのかな、などと思った次第。

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