2023年10月19日木曜日

おもしろ

 最近、ちょっと変わった本を買いました。

とある大日本武徳会槍術範士にまつわるお話を書いた本です。

ざっと眺めてみたところちょっと面白い話が書かれていて、およそ次の通り。



槍術範士の先生が80歳になったので、弟子や後輩が集まってまとまったお金を差し上げた。
先生は大変喜んで受け取ったが、翌日から突然行方不明になった。
1ヶ月2ヶ月してようやく姿を現してどうしていたのか聞いたところ、「せっかく皆がお金をくれたから、棒や杖の研究をしたいと思っていたので九州に行ってきた」とおっしゃる。

行き先(の1つ)はなんと福岡の乙藤市蔵先生のところであったそうな。

「乙藤さん、杖を教えてほしい」
「高山師範をお尋ねですか」
「いいや、乙藤さん、あなたを尋ねてきた。あなた、京都で演武をしたでしょう」

その頃は高山先生が道場を預かっていらしたのでまずは道場へ案内し、先生は大変熱心に稽古をご覧になったという。

ある時、弟の乙藤春雄先生が稽古のあとで木剣を持って杖3人と相対して戯れていたところ、ついに壁際まで追いやられた。
それを見て先生曰く「追い詰められて備えを崩さないのは見事だ、なかなかできることではない」。



昭和5~6年の頃の出来事だそうです。

杖の話が出てくると思わずに買った本にまさか乙藤先生が登場するなんて、色々驚きですね。

乙藤市蔵先生が30か31歳くらい、春雄先生が24か25歳くらいのときのお話でしょうか。

80歳の槍の先生が30歳くらいの孫くらいの歳の人のところへ「杖を教えてくれ」と尋ねていくのも凄いし、
「杖といえば京都で見たあの人だ」って名前が出てくる市蔵先生も凄いし、
おまけで出てくる春雄先生の話もなんか凄い、
まあ皆さん並みじゃないなと思いますよね。

私は遊びでも木刀1本で杖3人を相手にするなんて到底出来そうにないです。

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